バズフィード編集長の古田大輔氏、「記者の馬鹿げた質問が素晴らしい回答を引き出すこともある」と能力不足に対して開き直る

 インターネットが一般化したことで記者の実態が世間に知られたことで、マスコミや記者の勉強不足や能力不足への批判が起きています。

 これに対し、バズフィードで編集長を務める古田大輔氏が「馬鹿げた質問が素晴らしい回答を引き出すこともある。優秀な人による会議は退屈でしょ」とツイートし、開き直っています。この主張は論外と言わざるを得ないでしょう。

 

古田大輔氏のツイート内容

 バズフィードで編集長を務める古田大輔氏が行ったツイートは以下のものです。

画像:古田大輔氏のツイート

 「記者は狙ってバカな質問をする時もある」、「優秀な人が優秀なことだけする会議は効率的だが退屈」と主張し、記者が馬鹿げた質問をすることを正当化しています。

 自らの信念を持って “馬鹿げた質問” を記者がすることは自由です。しかし、“馬鹿げた質問をした記者” に対して批判をする自由も会見を見ている人にはあるのですから、そのことを留意する必要があると言えるでしょう。

 

“取材を受ける側” は(一部の)記者のように暇ではない

 古田氏のツイートが残念なのは「記者はポンコツ」と自白していることです。

 まず、勉強不足や馬鹿げた内容の質問が「意図してされたものか」は受け手には判別不能です。「その程度の能力しかない記者」と見なされることで得られるものは何もありません。

 次に、取材を受ける側は「(記者のように)暇ではない」のです。企業広報であっても、マスコミ対応は業務の1つです。そのため、会見場で記者の無駄話に付き合うことは非効率的なのです。

 「優秀な人が優秀なことだけをする会議は退屈」と古田氏は主張していますが、“会議で決まったこと” を遂行して結果を出すことが重要なのです。「会議を楽しめたか」は重要ではありません。

 会議に参加する人の平均値に達していれば、「会議が退屈」ということはないでしょう。マスコミや記者が「記者会見が退屈」と感じるのは取材対象者が要求する最低限のレベルにすら達していないから、話している内容が理解できないのです。それを正当化することは無理筋であることを理解すべきです。

 

「勉強不足な質問」や「馬鹿げた質問」によって作られた記事は「内容の乏しい長いだけの記事」になる

 古田氏はマスコミや記者の能力不足を正当化するツイートを行っていますが、「勉強不足な質問」や「馬鹿げた質問」によって作られた記事がどのような内容になるのかという視点が抜け落ちています

 “中身が乏しく、文字数だけが多い記事” に読者は価値を見出すでしょうか。熱狂的な読者以外は見向きもしないでしょう。中立的な購読者が減少する要因になりますし、新規購読者の獲得は困難になります。

 この状況でも広告収入を得るために、バズフィードのような “ネットメディア” は「見出し詐欺」に走り、煽動記事を配信するのでしょう。

 記者会見の内容を理解できないから、「的確な要約記事」や「論評記事」でアクセス数を得られないのです。実名で SNS を使う専門家もおり、彼らが「この件は〇〇の記事が質が高い」と投稿すれば、品質の “お墨付き” が得られるのです。

 既存メディアの手法をネットに持ち込んだだけのメディアが「劣化版」と批判されるのは当然です。「マスコミだけが一方的に意見を主張できた」という時代は終わったのです。

 

 (当事者や専門家からの)反論に対して無視を続けてきた従来の手法を転換しなければならない時期に来ていると言えるのではないでしょうか。