デイリー新潮、「取材時の約束を破ったマスコミへの態度を硬化させたサニブラウンは生意気」とメディアの “鉄砲玉” として批判記事を書く

 メディアが「マスゴミ」と呼ばれ、嫌われるのは自分たちの取材態度が原因です。

 デイリー新潮が「(陸上の)サニブラウン選手から前代未聞の取材規制メールが送りつけられた」と批判していますが、原因となったのはメディア側が取材時の約束を破ったからです。これを棚に上げ、選手を生意気だと叩こうとしている時点で馬脚が現れたと言わざるを得ないでしょう。

 

 「在籍しているフロリダ大陸上部の広報担当者から各社に一斉メールが送られてきたんですがね……」

 以下、その和訳である。

 〈サニブラウンの家族の要請を受け、本人、家族、友人、中学、高校時代のクラスメートの映像は、過去放映されたものを含め、今後は放映しないよう求める。(略)応じない場合は法的措置の可能性もある〉

 「海外在住なので、何か起きたら、国内の取材先は中高の関係者くらいしかいない。それを禁じられたら仕事になりませんよ」

 (中略)

 来る日本選手権では、マスコミにソッポを向かれないような走りを。

 

通達の発端は「マスコミが取材時に選手サイドとの約束を反故にした」こと

 サニブラウン選手のサイドから取材規制を講じる可能性を示唆するメールを受ける発端は「マスコミの姿勢」です。これは記事でも “噂話” の体で記されています。

 メールを送った広報担当者に真意を尋ねると、

 「ある放送局と彼の家族との間で起こった問題を考慮して要請しました。その局は、ある映像を、放映しないという合意があったにもかかわらず放映したのです」

 要するに、メディア側が「放映しないことで選手と合意した映像を放送した」のです。

 「放映しない」と約束したにも関わらず、それを反故にしてマスコミは報じたのです。モラルを持たない相手に便宜を図る意味はありません。他社のプライバシーを平気で侵害する行為を黙認しなければならない責務はないと言えるでしょう。

 

「憲法で保障された報道の自由」と主張するなら、BPO は不要になる

 取材対象から信頼されないマスコミが苦し紛れに持ち出すのが「報道の自由」です。「報道の自由」を “盾” として使うことで自分たちへの批判をある程度は弱めることができるのですから、マスゴミの定番フレーズと化していると言えるでしょう。

 会社という巨大組織の影に隠れ、匿名記事でスポーツ選手などの取材対象を批判や批判をするのがマスコミです。

 相手のプライバシーなど最初から眼中にありませんし、取材対象との約束を破ろうがニュースとして世に出してしまえば(それで収益を得た)組織が「報道の自由」を持ち出して業界ぐるみで守ってくれます。

 BPO が「番組内容などを審査している」という “建前” を持っていますが、実態は「左派系の主張内容を追認する機関」に過ぎません。これでは取材を受けざるを得ない側が自衛に走るのは当然ですし、人気スポーツの強豪チームは “自前の放送機関” を保持する傾向が強まっているのです。

 

 選手にソッポを向かれつつあるマスコミが「来る日本選手権ではマスコミにソッポを向かれないような走りを」などと上から目線で “説教” したところで逆効果です。

 取材対象者との約束を平気で破るようでは信頼関係を築くことなど不可能です。マスコミは取材相手に注文を付ける前に、まずは自分たちの姿勢を省みることが重要です。

 選手を「生意気」と論評したところで、論評したマスコミが放漫なのです。メディアの肩を持つ人が減少しているのですから、メディアへの信頼度が低下するのは当たり前です。自分たちのことを「クズ」と自己紹介しているメディアは終わっていると言えるのではないでしょうか。