ムン・ジェイン大統領が「北朝鮮との経済協力で日本に対抗する」と公式に発言、日本の輸出管理が「適切」であることを認める

 NHK によりますと、ムン大統領が8月5日に開かれた会議の冒頭で「北朝鮮との経済協力で日本に追いつける」と言及したとのことです。

画像:北朝鮮との経済協力を示唆するムン大統領

 韓国国民に団結を呼びかけていますが、「安全保障を理由に輸出管理を強化した日本の対応が適切だった」と大統領自らが認めた結果になっていることが致命的と言わざるを得ないでしょう。

 

 韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領は、日本政府が輸出管理の優遇対象国から韓国を除外することを決めたことをめぐり「南北間の経済協力で平和経済が実現すれば、われわれは一気に日本に追いつくことができる」と述べ、みずからが最優先課題に位置づける北朝鮮との経済協力を絡める形で国を挙げた協力を呼びかけました。

 ムン大統領が発言した主な要点は以下のとおりです。

  • 日本は韓国の経済飛躍を妨げられない
  • 日本の輸出管理強化は経済強国に向けた韓国の意志を強くする起爆剤となる
  • 日本は経済力だけで世界の指導的地位に立つことはできないと悟るべき
  • 韓国と北朝鮮の経済協力が実現すれば、日本に追いつくことができる

 “反日強硬姿勢” で支持率を保つムン・ジェイン大統領の姿勢は一貫しています。ただ、根本的な部分で致命的な間違いをしており、完全なオウンゴールになっているのです。

 「墓穴に掘った」と言えるでしょう。

 

経産省は「安全保障上の問題」を理由に韓国への輸出管理を強化した

 経産省が韓国に対する輸出管理を強化した理由は「安全保障上の問題」です。兵器転用が可能な物資が適切に管理されている保障が得られないから、優遇措置を止めたに過ぎません。

 したがって、韓国が行うべきだったのは「適切な輸出管理体制があることを証明する」でした。

 現状の韓国は中国や台湾などと同じ『グループB』に属しており、これらの国と同じ手続きをすればフッ化水素などを輸入することは可能です。

 なぜなら、『グループB』に属する国と同じ申請を行った韓国だけに恣意的に輸出許可を出さなければ、日本側の対応は WTO の貿易ルールに違反することになるからです。

 この部分を無視しし、「国連安保理から経済制裁を受けている北朝鮮と組んで日本に対抗する」と大統領自らが宣言したことによるマイナス分は決して無視できるものではないと言わざるを得ないでしょう。

 

「2度と日本には負けない」と iPhone を使ってツイートを行った韓国・大統領府

 ムン・ジェイン大統領の「日本に対するコンプレックス」は相当強烈と言わざるを得ません。安倍政権が閣議で輸出管理の強化(= 『旧・ホワイト国』から韓国を除外)したことに対し、大統領府が以下のツイートをしているからです。

画像:韓国大統領府のツイート

 愛国を掲げるムン・ジェイン政権が iPhone で投稿していることよりも、日本に対して経済戦争を宣戦布告するような内容となっています。

 これは「加害者である日本が被害者である韓国の顔を立てないなどあり得ない」との考えが根底にあるのでしょう。この関係性が維持される限り、韓国は “恩恵のみ” を享受することが可能です。

 しかし、戦後生まれの大多数の日本人にとって受け入れられる考えではありません。

 そのため、「 “現在の韓国政府が行った政策” に対して必要な措置を日本が講じるのは当然」と考えますし、それが世論に現れているのです。この部分を認識できていない親韓派や野党が支持されないのは当たり前のことと言えるでしょう。

 

市場は「韓国からの資金逃避」を意味する『ウォン安』が色濃く現れる

 ムン・ジェイン大統領の方針は「市場から好意的に受け止められているとは言えない状況」となっています。これは8月に入ってから、韓国の通貨ウォンがアメリカ・ドルに対して下落が続いているからです。

画像:アメリカ・ドルと韓国ウォンの為替相場

 韓国では「1米ドル = 1200ウォン」が “防衛線” と言われています。つまり、「1ドル=1210ウォン」など『ウォン安』が進行する前に当局が為替介入に乗り出して戻していたとしても不思議ではありません。

 輸出産業がメインの韓国では「通貨安の状態を維持」した方が貿易黒字は大きくなります。ただ、一線を越えると『通貨危機』を招いてしまうため、それを避けるために『通貨スワップ協定』が必要不可欠な状況です。

 しかし、日本との『通貨スワップ協定』は終結した上、ムン・ジェイン大統領は「(制裁中の北と組んで)日本に勝つ」と宣言しているため、 助け船を出す国は見当たりません。だから、外資が韓国から資本を逃避させ始めたのです。

 また、韓国にとっては不運なことにアメリカのトランプ大統領が中国を為替操作国に指定しました。

 そのため、韓国総合株価指数(KOSPI)は心理的抵抗線の 2000 を割り込み、5日の終値で 1946 だったポイントが6日には一時的に 1892 を付けるなど、株安による大きな影響が発生しています。(その後は買いが入り、1910〜1920 ポイント間で推移)

 

 「プライドを捨てて日本に泣きつく」という行動に出れば、韓国経済への悪影響を最小限にはできるでしょう。しかし、韓国の歴代政治家は「日本がどうしても言うから応じてやった」と宣伝し続けたため、日本側の堪忍袋の尾が切れていることを認識できていません。

 政治には感情で動く面もありますが、感情で動いたことで大きなマイナスをもたらしてしまっては元も子もありません。「日本の輸出管理の正当性」を大統領自らの発言で追認する形となり、投資資金の逃避を発生させたことで韓国が奈落の底に向けて加速したと言わざるを得ないのではないでしょうか。