福島第一原発の処理水の海洋放出で不安を煽っている側の毎日新聞、原田前環境相の発言を「能天気にも程がある」と批判する

 原田義昭・前環境相が「福島第一原発の処理水を海洋放出するしかない」と発言したことに対し、毎日新聞(福島支局)が批判ツイートを投稿しています。

画像:毎日新聞のツイート

 毎日新聞は「処理水の海洋放出をするな」という立場であるにも変わらず、「言うだけでは何もならない」などと原田前環境相の発言を非難しています。

 漁業者側が反対するのはマスコミが風評を煽るからです。自らの行為を棚に上げ、閣僚の発言を批判しているようでは本末転倒と言わざるを得ないでしょう。

 

 では、海洋放出が受け入れられるために、あなたはどんな行動をしたのか。漁業者がなぜ反対しているのか、理解していますか? 言うだけじゃ何にもならないんですよ。能天気にも程がある。(西)

 

環境基準値を下回っていれば、海洋放出の実施は可能

 福島第一原発の処理水を海洋放出するための唯一の基準は「処理水が環境基準値を下回っていること」です。それ以外に海洋放出が妨げられる規定はありません。

 したがって、原田・前環境相が発言した「処理水を(環境基準値以下に希釈して)海洋放出しかない」は科学的に現実的かつ合理的な解決策なのです。

 なぜ、漁業者が難色を示しているのかと言いますと、「マスコミが科学的な事実を無視して風評を煽る報道を流すから」です。その懸念を表明する漁業者の声をマスコミが何度も流すことで風評が既成事実として悪循環が発生していることが根本的な原因です。

 能天気なのは “不安を煽る側” に立って金儲けをしている毎日新聞の方だと言わざるを得ないでしょう。

 

批判を受けた毎日新聞は「アリバイ記事の存在」を理由に “逃げ” を打つ

 不安を煽る側と批判された毎日新聞・福島支局は「(処理水に含まれる)トリチウムが各国の原発から海に放出されていることは何度か書いている」とツイートし、弁明しています。

画像:毎日新聞のツイート2

 これは「アリバイ記事で逃げていること」と同じです。なぜなら、以下の報道姿勢を採っているからです。

  • 各国の原発
    • “処理水と同じ成分のトリチウム水” を海洋放出
      → 問題視せず
  • 福島第一原発
    • 処理水を海洋放出すれば良いとは言えない
      → 懸念を示し、問題視する

 同成分の処理水を海洋放出することに対し、放出する原発によって問題視するという姿勢を毎日新聞は示しているのです。

 毎日新聞が福島県漁協による本格操業を応援しているなら、世界各国の原発でトリチウム入りの水が海洋放出されている事実を紙面で繰り返し何度も掲載することで漁業者(と読者)の不安を取り除くことに尽力すべきです。足を引っ張っているのは不安を煽るマスコミと批判せざるを得ないのが現状と言えるでしょう。

 

「能天気にも程がある」のは毎日新聞

 原田・前環境相の発言を批判する毎日新聞ですが、皮肉なことに批判がブーメランになって帰って来ており、滑稽な状況となっています。

 「言うだけじゃ何にもならない」という主張は「報じるだけじゃ何にもならない」と返されるからです。漁業者が不安に思うのは「正しい情報が伝えられないかもしれない」という『マスコミ不信』も影響しており、それをメディア自身が認識していないのは致命的です。

 能天気なのは毎日新聞などのマスコミでしょう。科学的な事実に基づく記事を何度も紙面で取り上げることで不安を払拭するのではなく、「不安に思う人がいるから政府は考えを改めろ」と要求しているのです。

 これでは自らの政治イデオロギーを全面に押し出すプロパガンダと変わりません。自社の収益のために不安を煽る報道を平気で行うマスコミを軽減税率の対象にすることは問題と言えるのではないでしょうか。