科学的な知識が欠如したグレタ・トゥンベリが “情緒的な手法” で騒げばバカにされるし、批判を差別的文脈で封殺する手法は論外だ

 NHK によりますと、国連の温暖化対策サミットで演説したスウェーデンの活動家グレタ・トゥンベリ(16)が批判に対し、「なぜ大人たちがバカにするのか理解できない」と反論したとのことです。

 批判が起きている理由は「『科学を知ってもらいたい』と主張するグレタ・トゥンベリが科学的知識の欠いたロジックを展開していること」です。学校に行かない16歳が誤った知識を前提にヒステリックな主張を公の場ですれば、バカにされるのは当然と言わざるを得ないでしょう。

 

 国連の温暖化対策サミットで演説したスウェーデンの16歳の活動家、グレタ・トゥーンベリさんが、みずからへの批判に対してツイッターで「なぜ、科学を知ってもらいたいと訴える子どもたちを、大人たちがばかにするのか理解できない」と反論し、温暖化対策を求める活動の輪をさらに広げる決意を示しました。

 大人たちが “バカ” にする理由は「グレタの主張に致命的な誤りがあるから」です。「科学を知ってもらいたいと訴える子供」との立場を採っているようですが、『科学的な知識』を持ち合わせていれば、グレタの主張にはならないのです。

 この部分を指摘せずにグレタの主張を手放しで称賛する大人の方が問題と言わざるを得ないでしょう。

 

科学的根拠のない『温暖化デマ』をヒステリックに主張したグレタ・トゥンベリ

 国連でグレタが述べた「平均気温が2度以上上昇すると臨界点を超え、気候変動の悪影響が急速に拡大する」という主張には何ら科学的根拠はないですし、国連も IPCC もグレタの主張を裏付けていません。

 2度という数字に意味はありませんし、「人類の大量絶滅が始まっている」というのも誤りです。なぜなら、グレタが敵視する経済成長によって生活環境は劇的に改善したからです。

 大気汚染や水質汚染は当該国が経済成長することで緩和されます。前者は電気やガス、後者は上下水道といったインフラ設備が整備されることで汚染物質の排出量が劇的に削減されるからです。

 その原資を捻出するためには「経済成長」が欠かせません。経済成長を否定するのは途上国に「豊かになろうとするな、貧しい現状を維持しろ」と言っていることと同じです。

 “先進国の裕福な家庭に生まれたグレタ・トゥンベリ” が途上国の成長欲求を抑え込もうとすることは批判の対象になり得ると言えるでしょう。

 

海面上昇分は「経済成長によるインフラ投資」で回収可能

 2100年までに気温が2度上昇したと仮定しても、海面の上昇幅は 60cm です。これは途上国であっても、今後の経済成長で沿岸部に堤防を建設するための予算を捻出することは十分に可能でしょう。

 しかし、大気汚染や水質汚染では “現在進行形で” 死者が出ているのです。こちらの問題を見て見ぬ振りをしているのですから、批判が出るのは当たり前です。

 また、氷河期の存在をグレタら環境保護活動家が見落としている点も気になります。

画像:気温と二酸化炭素濃度の相関図

 上図は「気温と二酸化炭素濃度の相関図」を示したデータですが、現在(= 図の左端)は “高温期” です。約2万年前までの氷河期と比較すれば、気温が高いのは当然と言えるでしょう。

 しかし、以前の高温期(= 約13万年前)は「現在よりも気温は高かった」のです。今後は「約10万年の周期で訪れる氷河期への対処」がいずれは必要となるため、温暖化以外の『科学の知識』も持ち合わせておくことが求められているのです。

 

温室効果ガスの最大排出国である中国に何も言えない環境活動家に価値はあるのか?

 そして、グレタ・トゥンベリなどの環境活動家がバカにされる最大の理由は「温室効果ガスである二酸化炭素を最も排出する中国を批判できないこと」です。

画像:エネルギー起源の二酸化炭素排出量

 環境省が資料(PDF)で示しているように、中国は世界最大の二酸化炭素排出国です。世界最大の人口を抱えていることもあり、この状況は今後も変わることはないでしょう。なぜなら、中国は経済活動に欠かせない電力の大部分を石炭火力で発電しているからです。

画像:中国と日本の電源別発電量構成比

 日本に対して「石炭火力発電を止めろ」と勇ましく主張する環境保護活動家は中国を同じロジックで批判することに消極的です。これは極めて不誠実と言わざるを得ません。

 世界最大の二酸化炭素排出国で稼働している石炭火力発電所の運転を黙認しておきながら、「温暖化対策に取り組むべき」とのダブルスタンダードを掲げているのです。知識を持った人からバカにされるのは当然でしょう。

 そのような墓穴を掘らないために学校で『科学』を含め、様々なことを勉強するのです。知識が欠如した16歳の少女が情緒的に主張した要求を “まともな大人” が取り合わないのには相応の理由があるのです。

 

 環境保護活動家の “少女報道官” として「科学的根拠」や「ロジック」を無視した主張をヒステリックに叫ぶ姿を褒め称えるのは「感情論で世論を扇動しようとしている」ことと同じです。

 しかも、批判を「容姿に対する差別的なもの」とすり替えることで封殺する役割をマスコミが率先して買って出ているのですから、悪質な手口と言わざるを得ないでしょう。議論は老若男女に関係なく、同じ土壌で行うから価値があるのです。

 科学的に劣勢である陣営が『弱者』を全面に押し出した感情論で要求内容を通そうとする姿勢が透けて見えるのですから、厳しい批判を浴びせる必要があると言えるのではないでしょうか。