後に引けなくなった環境活動家グレタ・トゥンベリ、大西洋を温暖化ガスの排出なしに渡る方法を募集する

 日経新聞によりますと、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリが「二酸化炭素を排出せずに大西洋を渡る方法」を探しているとのことです。

 「温室効果ガスの排出するな」と声高に主張してしまったため、後に引けなくなってしまったからでしょう。ただ、「アメリカ行き」を決めた時点で “帰りの手段” は事前に確保していたはずです。

 その手段を使えば良いだけですし、学校での勉強を拒否する子供に知恵を授けることはマイナス面が大きいと言わざるを得ないでしょう。

 

 スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリさんは1日、第25回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP25)の開催地がスペインに変わったことを受けて「誰かが移動を助けてくれたらうれしい」とツイートした。グレタさんは温暖化ガスの排出を抑える理由で飛行機に乗らないため、移動方法を探している。

 

ヨットで大西洋を横断する “パフォーマンス” を行ったグレタ・トゥンベリ

 グレタ・トゥンベリに同情するなら、「パフォーマンスがリベラル派のメディアに大々的に取り上げられてしまったこと」でしょう。この結果、引くに引けなくなってしまったからです。

 グレタはアメリカ・ニューヨークで行われる国連総会に出席するためにヨットでイギリスから大西洋を渡りました。約2週間の航海でしたが、同行した船長や帰投用クルーが飛行機を利用している時点で「偽善」でしかありません。

 なぜなら、グレタ・トゥンベリだけが飛行機を利用するなどの工夫を施していれば、環境負荷は小さくすることができたからです。また、環境負荷を最小にするなら「ビデオ通話などでメッセージを送る」という選択肢もありました。

 こうした選択肢を捨てて、『現地でのパフォーマンス』を優先したのですから自業自得を言わざるを得ないでしょう。

 

グレタの意に関係なく、航空機の定期便は飛ぶ

 グレタ・トゥンベリが「飛行機に乗りたくない」と駄々をこねたところで、今日も航空機は運行しています。乗客数が1人違ったとしても、定期便のフライト中に排出される二酸化炭素の量は誤差の範囲でしょう。

 したがって、移動手段から飛行機を除外する理由が見当たらないのです。

 もし、航空機による移動を封じられると長距離移動のハードルが極端に高くなってしまいます。なぜなら、外国への移動手段が(実質的に)船舶だけとなってしまうため、金持ちや商人でなければ不可能になってしまうからです。

 これは『大航海時代』と同じであり、15世紀から17世紀の水準に戻ることを意味しています。「技術の進歩」を学ぶ機会を放棄しているグレタ・トゥンベリらしい考えと言うこともできますが、しわ寄せを受けるのは普通の庶民です。

 そのため、技術の発達を否定するグレタの言動は批判の対象にしなければならないと言えるでしょう。

 

ヨットで大西洋を渡ったグレタ・トゥンベリは「どうやって温室効果ガスを出さずにヨーロッパに戻る計画」だったのか

 また、気になるのは「グレタ・トゥンベリがヨーロッパに戻る当初の方法」です。「ヨットで大西洋を横断してアメリカに向かうこと」はメディアが大々的に報じていましたが、帰路についての言及は目にしたことがありません。

 当然、『ヨーロッパに温室効果ガスが排出せずに戻る方法』を持ち合わせていたはずです。

 つまり、“グレタが事前に準備していた方法” を前倒しすれば、温室効果ガスを排出せずにヨーロッパに戻ることは朝飯前でしょう。それができずに他者の善意に泣き付こうとしている時点で論外と言わざるを得ません。

 「後先を考えずにヨットで大西洋を横断するスタンドパフォーマンスをしていただけ」と揶揄されても止むを得ない状況となっています。

 「よくそんなことが言えるわね!」と挑発した以上、温室効果ガスを排出する移動手段を選択したことが明らかになった時点で "How dare you!!" (=よくそんなことができるな)と大バッシングを受けることでしょう。

 

 コストを度外視して『温暖化対策』を要求するグレタ・トゥンベリが『温室効果ガスを排出しない具体的な移動手段』を示すことを迫られているだけなのです。

 キレイゴトを言うだけなら誰にでもできることです。台本通りに演じる子役と変わりありません。温暖化対策では「具体的な解決策を提示し、実行して結果を出すこと」を世界各国政府に要求したのですから、大西洋を移動するという点で有言実行するのは当然です。

 グレタ・トゥンベリは環境活動家のスポークスマンではない面を “自らの活動” で示すことができるかが見られていると言えるのではないでしょうか。