日本製品不買運動を続ける韓国の産業大臣が「日本の輸出規制の一部緩和では根本的な解決にならない」と怪気炎を上げる

 韓国で日本の経済産業大臣に該当する産業通商資源相を担当するソン・ユンモ(成允模)氏が22日に「日本の輸出管理が一部見直されただけでは不十分」と記者に語ったと日本テレビが報じています。

画像:ソン・ユンモ(成允模)氏の発言を報じる日テレ

 これほどナンセンスな発言はないと言わざるを得ないでしょう。韓国では「日本製品不買」が “国民運動” になっていますし、輸出管理が強化されたままで何ら不都合はないはずです。

 日本からの要求を何ら満たすことなく、輸出管理強化の撤廃を要求する姿勢は論外であり、日本政府が韓国の要望を聞き入れる必要は微塵もないと言えるでしょう。

 

 韓国の成允模産業通商資源相は22日、日本の経産省が20日に韓国向けの半導体材料の輸出管理の一部を見直したことについて、次のような認識を示した。

 成允模産業通商資源相「日本の措置で若干の進展があったと評価されるが、輸出規制の根本的な問題解決には不十分だ」

 また、成氏は「7月前の状態への回復とホワイト国への復帰が本質的な要求事項だ」とした上で、「実質的な対話の進展を期待し最善を尽くす」と述べた。

 

特定企業間におけるレジストの輸出審査方式が『特定包括許可』になるだけ

 まず、今回の「緩和」は半導体を製造する際に必要となるレジストの輸出審査方式が『個別審査』から『特定包括許可』になるというものです。これは “審査をする側” の経産省が「従来の方式に戻しても問題ない」と判断される十分な実績が確認されたことが大きな要因と言えるでしょう。

 現状は「製造者の日本企業」と「(サムスンなど)消費者の韓国企業」が必要に応じて “毎回” 輸出申請を提出していました。

 つまり、経産省も輸出申請が出されるたびに人員を割いて申請内容のチェックをしなければならなかったのです。『目的用途に合致している取引』を毎回まじめに審査をするのは大きな労力を必要とします。

 正当な目的で輸出された品目が申請どおりの用途で使用されていれば、『特定包括許可』に戻し、必要に応じて『抜き打ち検査』をする管理方法で十分なはずです。もし違反が確認されれば、『個別審査』に戻した上で “ゆっくりと” 審査をすれば良いのですから、経産省の対応は妥当と言えるレベルでしょう。

 

ソン・ユンモ(成允模)氏の “勘違い発言” は痛すぎる

 ところが、韓国の産業通商資源大臣であるソン・ユンモ氏は「日本が譲歩した」との勘違いをした発言を記者の前でしてしまっています。

 正当な理由がないにも関わらず、当局が輸出入を妨げることは WTO の協定に違反する行為です。経産省は「輸出管理の強化は報復ではない」と宣言しているため、正当な理由が確認された日常的に行われる輸出入が『特定包括許可』の対象になるのは当たり前と言えるでしょう。

 その一方で、「日本から正当な理由で輸出された品目が申請どおりに消費されている」との確証が得られていない項目についての管理体制は強化されたままです。

 この対応は当然のレベルですが、ソン氏は「輸出管理が強化されている項目を元に戻せ」と要求しているのです。決定権を持つのは日本ですし、日本から要求されたことを満たせていない立場の韓国からの要求を聞き入れる訳には行かないでしょう。

 なぜなら、兵器転用な可能な物質が “韓国に輸出された後” に忽然と消えることになる恐れがあるからです。「そのようなリスクがある」と事前に分かっている状況で輸出許可を出せば、“許可を出した日本” も批判されることは避けられません

 韓国は「我々が該当物質を盗んだのではない」と開き直るのは目に見えているのですから、「包括許可を与えるに値しない」と突き放す必要が現状ではあると言わざるを得ないでしょう。

 

日本製品不買運動に賛同する “愛国的な” 韓国企業はどこへ?

 また、韓国国内では日本製品不買運動が “国民運動” と化していることを見落とすべきではありません。「日本製品を買わない」と宣言し、それが称賛されているのですから、日本からの輸入品など以ての外であるはずです。

 にも関わらず、ソン氏は「輸出管理強化を撤回しろ」と要求しているのです。

 この点に対しては「不買運動をしているのなら、輸出管理が強化されたままでも問題ないのでは?」と日本のマスコミが直接問い質すべきです。それができなければ、「取材」をしていないことと変わりありません。

 「なぜ、韓国は自分たちの “非” を認め、改善しようとしないのか」と問い詰めることがジャーナリストに求められている取材活動と言えるでしょう。

 失笑物の詭弁をそのまま報じるだけでは単なる宣伝機関であり、問題点を指摘できない不健全な二国間関係を是正する言論がメディアから出てこない時点で日韓関係は悪化したままになっていると言えるのではないでしょうか。