「雑な保釈許可」と「緩い管理」でカルロス・ゴーン容疑者に逃亡を “アシスト” した『司法』と『入管』も批判されるべきだ

 特別背任罪に起訴され、保釈中だったカルロス・ゴーン容疑者が中東のレバノンに到着したと NHK が報じています。

 密出国したゴーン容疑者や支援者が厳しい批判にさらされるのは当然です。ただ、保釈によって実質的な自由を与えた『司法』や緩い出入国管理の『入管』も再発防止策を講じざるを得ないと言えるでしょう。

 ゴーン容疑者によって日本のメンツに泥を塗られたのですから、関係各所がそれぞれの報復を敢行しなければならないはずです。

 

 日産自動車のカルロス・ゴーン被告は、みずからの報酬を有価証券報告書に少なく記載した罪と日産の資金を不正に支出させるなどした特別背任の罪で起訴され、ことし4月に保釈されました。

 東京地方裁判所が、保釈の際に示した条件では、海外への渡航は禁止されています。欧米などの複数のメディアは、日本時間の31日午前6時半過ぎにゴーン元会長がレバノンの首都ベイルートに到着したと一斉に伝えました。

 (中略)

 東京地方裁判所は31日、ゴーン元会長の海外への渡航を禁じた保釈条件は変更していないと明らかにしたうえで、実際に出国したのかどうかゴーン元会長の弁護団や検察に連絡を取るなど確認を進めるとしています。

 

「チップ程度の保釈金」と引き換えに GPS 装置の着用も義務付けずに保釈を認めた東京地裁

 まずは東京地裁がゴーン被告の保釈を認めた際に必要な制限をかけ切れなかったことが大きな要因です。15億円の保釈金を設定したものの、これは総資産が2000億円を超えると言われるゴーン被告にとっては「チップ程度」の微々たる額です。

 そのため、没収されたとしても痛くも痒くもない金額なのです。ゴーン被告が拘留されていた際にレバノン政府は在日大使館経由で “不満” を公言していたのです。『司法』の認識が甘すぎたことは否定できないと言わざるを得ないでしょう。

 また、東京地裁はゴーン被告に対して、GPS 装置の着用を義務付けずに保釈しました。この判断も誤りです。

 なぜなら、カナダで拘留されたファーウェイの孟晩舟・副会長兼 CFO は保釈条件の1つが「GPS 装置の着用」であり、裁判所への出廷時にも GPS 装置を着用しています。これをしなかった時点で、「司法の認識は甘すぎる」との批判を受けても止むを得ないでしょう。

 したがって、裁判所が安易な保釈を認めることが問題なのです。保釈人の動向を24時間365日に渡って観察し続けるには(管轄地区にある警察の)多大な労力を要するのですから、無責任すぎると言わざるを得ないでしょう。

 

『金大中事件』と同様に外国人が意図的に密出国できてしまう入国管理体制

 次に入国管理体制の見直しは不可避でしょう。なぜなら、国外退去処分が下された外国人を日本国内で養い続け、無断出国が禁じられている外国人に逃げられてしまっているからです。

 自称・難民や密入国による不法滞在者が『特別在留許可』を求めて訴訟を起こし、国外退去処分が下されても日本国内に居座っています。しかも、収容されても仮釈放を要求して国内を自由に闊歩するなど、やりたい放題の状況です。

 その一方で、海外渡航が禁じられているはずのカルロス・ゴーン被告は出入国管理法に違反する形で出国しました。

 “日本に滞在する資格を持たない外国人” が日本に居座ることが容認され、“日本に留まっていなければならない外国人” を逃してしまっているのです。制度・運用面での改善が不可避な状況と言わざるを得ません。

 『出入国在留管理庁』が発足したのですから、在留外国人問題への対処水準は上がってもらわないと困ります。“犯罪者の人権” に配慮を施すことに熱心になるほど、しわ寄せは世間一般へと行くことになるのです。安全圏にいるリベラル派は治安悪化の責任と取らない立場にいることを認識する必要があるでしょう。

 

協力者である可能性が高いレバノン政府に踏み絵を迫った上で報復に踏み切らなければならない

 ゴーン容疑者の脱出にはレバノン政府が何らかの形で “協力” をしていると考えられます。しかし、そのことを表立って認めることはないでしょう。そのため、日本政府はレバノン政府に対して “踏み絵” を迫る必要があります。

 レバノンは「日本との友好関係を大事にしたい」などと主張することが予想されるため、「カルロス・ゴーンの身柄を引き渡せ」と返答すべきです。

 おそらく、レバノン政府は要求には応じないでしょう。その場合は「日本赤軍のテロリストと同様にゴーンも匿い続けるのだろう」とマスコミから批判させる必要があります。政府が採るのは「経済的報復」であるべきです。

 『レバノンに対する ODA (=政府開発援助)』など直接的な支援は即座に止めなければなりません。また、日本国内にいるレバノン人の在留許可の更新も認めてはならないでしょう。これは「日本国内で罪を犯したレバノン人を政府が逃走させる」という “前例” ができたからです。

 その上で、レバノンの援助に使う予定だった予算は「レバノン周辺の親日国」に回すべきです。また、イランなど『レバノンの伝統的友好国』に「以前と同様の友好関係を続けられなくなる “要因” ができた」と外交姿勢の変化を匂わせておく必要もあります。

 

 逃亡犯となったカルロス・ゴーン容疑者を擁護する理由はありません。「日本の “人質司法” に反対する」とのキレイゴトを強弁したところで、司法の場から違法な手段を用いて逃亡したのがゴーン容疑者なのです。

 ゴーン容疑者の行動が厳しい批判にされるのは当然ですが、その上で逃亡をアシストする結果になった関係機関や弁護士らは猛省しなければならないでしょう。

 被疑者に対して厳しい姿勢を貫くことを主張した検察側の見立てが適切だったのです。外国人容疑者に対する保釈が難しくなるのは当然ですし、『二重国籍』を悪用した弊害が浮き彫りにもなりました。

 まずは外国人に対して大甘な司法と入管を「他の先進国と同等水準」で執行する必要があります。反日活動家が『人権』を叫んで日本の法治制度を破壊しようと暗躍しているのです。性善説での運用はグローバル化が進行した現代では不可能と認識し、対応を改める必要があると言えるのではないでしょうか。