オーストラリアで発生している大規模な山火事、警察当局が200人弱を訴追する事態となる

 オーストラリア南東部ニューサウスウェールズ州などで発生している大規模な山火事に対し、183人を訴追する法的行動を採ったとオーストラリアの『7news』が報じています。

 この山火事によって石炭火力発電とは比べものにならない温室効果ガス(= 二酸化炭素)が発生しているのです。温暖化問題に取り組むのであれば、毎年のように発生している「大規模な山火事」への対応にも真剣に取り組むべきだと言わざるを得ないでしょう。

 

 Police have revealed they have taken legal action against 183 people for 205 bushfire-related offences in NSW since November 8, 2019.

 

183人に対して法的措置が採られている状況

 2019年11月からオーストラリアで続く山火事に対して法的措置が採られた人の総数や理由は以下のとおりです。

  • 警察は183人に対して法的措置
    • 放火容疑: 25人
    • 火気厳禁の指示に従わず: 53人
    • 着火中の煙草やマッチを捨てる: 47人
  • 40人は未成年

 故意犯(の容疑者)が25人もいますし、これは大問題でしょう。火気厳禁は工具を使った際に火花が飛び散った」というレベルで逮捕の対象となるのです。

 環境問題を『社会的な運動』として扱うのであれば、「石炭火力発電の中止」を街中で叫ぶよりも「山火事の対策」に本腰を入れるよう要求すべきと言えるでしょう。

 

山火事は「特定の自然環境が揃ってしまうと発生してしまう」という根本的な問題がある

 山火事が厄介なのは「特定の自然環境が整うと発生してしまう」という問題があることです。具体的には『乾燥した空気』、『高温』、『強風』が揃うと、木々の摩擦熱が火元になってしまう恐れがあるからです。

 ただ、気象条件を人為的にコントロールすることは不可能です。したがって、山間部に人の手を加えて管理を行い、延焼が起きる要因を可能な限り除去することが重要になるでしょう。

 しかし、そのためには「山林などを整備するための予算が毎年必要」となります。「山火事などの問題が起きなければ、無駄使いとの印象が世間に強くなる」という要素を抱えているため、啓蒙活動が重要な分野と言えるでしょう。

 だから、自然環境のことを真剣に考えて行動している環境保護団体であるなら、「山火事対策の必要性」を行政や世間に対して訴え続けているべきなのです。こちらの運動に消極的な団体は疑うだけの理由になり得ると言えるはずです。

 

手付かずの山林が増えている日本も他人事と静観することはできない

 オーストラリアやアメリカ・カリフォルニア州で発生する山火事は「夏に空気が乾燥する気候」であるため、日本とは前提となる気象条件は大きく異なります。

 したがって、そうした国々と同じ山火事対策をする必要はないでしょう。しかし、失火や放火による山火事が起きる可能性はありますから、実際に山火事が発生した場合に消防隊が連携して動くことが可能になっているかの体制確認はできるはずです。

 環境保護団体の中には過激派もいますし、杜撰な管理体制で出火の原因を作るメンバーもいると想定した上で対策を講じておく必要があります。

 予防を促すことも重要ですが、それと並行して山火事が実際に発生してしまった場合に被害を最小限にするための消火訓練や対策を準備しておくための予算を投じることに理解を示すことが大事と言えるのではないでしょうか。