新型コロナウイルスへの感染を心配する人が病院に押し寄せると、中国・武漢や韓国・テグ(大邱)と同様の医療崩壊による死者が発生する
朝鮮日報によりますと、新型コロナウイルスの感染者が多数発生している韓国・(テグ)大邱で入院ができずに自宅隔離となっていた患者が2人亡くなったとのことです。
“病院での治療が必要な患者” に対して、医療サービスが提供できないのは本末転倒です。韓国で起きていることは『反面教師』としなければなりませんし、「闇雲な『PCR 検査』で新型コロナの軽症患者数を増やすのは愚行」と言わざるを得ないでしょう。
大邱市側が「27日午前、呼吸困難を訴えて大邱カトリック病院に緊急搬送され検査を受け、自宅隔離で結果を待っていた69歳の女性が28日に死亡した」と発表した。この前日、大邱市内でベッドに空きがなく自宅隔離になっていた74歳の男性が死亡している。大邱市だけでこの日、3人の死亡者が出て、韓国の死亡者は16人になった。
(中略)
感染者数は当分の間、急増傾向が続くだろうという見方が優勢だ。28日現在で3万237人が検査結果を待っているが、新興宗教「新天地イエス教」の信者を中心に感染疑い例が増えており、今週末にも新たな感染者が4000人を突破するかもしれないという見通しまである。ソウル大学病院感染内科のチェ・ピョンギュン教授は「最悪の場合、全国民の40%まで感染する可能性がある。このような状況が年末まで続くかもしれないので、備えなければならない」と語った。
テグ(大邱)は “第2の武漢” と化した
韓国のテグ(大邱)が中国・武漢と同様の状況になっていることは否定できないでしょう。
武漢で新型コロナウイルスによる大きな被害が出た理由は「医療崩壊が発生したから」です。『新型コロナウイルスに対する特異な治療法』は現時点で存在しませんが、基本的な対処方法は「肺炎」と同じです。
そのため、重症化している患者に酸素吸入を施すなど適切な措置を施せば、回復が十分に見込むことが可能です。しかし、それができないと亡くなる患者が続出することになります。
武漢では医療者への感染が起きたことで医療サービスの提供力が大きく低下。そこに患者が押し寄せたことで感染が広まる悪循環が発生しました。
また、テグ(大邱)でも新型コロナウイルスが蔓延したために濃厚積極者に対する『PCR 検査』を実施。“多数の患者を発見すること” はできたものの、軽症患者も隔離入院にしたため、この状況で新たに重症化した患者を受け入れることができずに最悪の事態を招いてしまったのです。
この点については『反面教師』として、同じ失敗をしないことが重要と言えるでしょう。
『PCR 検査』の結果が陽性でも陰性でも、新型コロナウイルス感染症への治療方法は同じ
一部の野党・マスコミ・医師は「不安を払拭するために希望者全員が『PCR 検査』を受けれるようにすべきだ」と主張しています。しかし、この主張は “韓国の失敗” を繰り返す危険なものです。
まず、新型コロナウイルスに対する特異な治療法はありません。つまり、『PCR 検査』の結果が陽性でも陰性でも、患者に施される治療方法は同じなのです。
また、精度の問題もあります。検査で分かるのは「『陽性』と『陰性』のどちらに属しているか」だけであり、「結果が確かか」を確認する術がないことが実情です。
検査結果 | 備考 | |||
---|---|---|---|---|
陽性 | 陰性 | |||
感 染 |
済 | 90 | 10 (偽陰性) |
感度: 90% |
不 | 100 (偽陽性) |
9900 | 特異度: 99% |
陰性の人は「風邪っぽいけど新型コロナではない」と判断するでしょう。しかし、実際には感染しているけど陽性反応が出ない『偽陰性』の人がいるのです。彼らが「単なる風邪」という認識で普段と変わらない生活をすれば、ウイルスを拡散することになります。
新型コロナウイルスへの感染が疑われる人の検体を『PCR 検査』にした際の感度は 70% ほどです。“漏れ” に該当する『偽陰性』の人の割合は多いのですから、「(軽い)風邪の症状が出ているなら自宅療養すべき」との指針は適切と言えるでしょう。
指定機能病院の新型コロナウイルス感染症の軽症患者や無症状者に占拠される弊害は無視できない
東京都健康安全研究センターが紹介している日本国内での肺炎死亡者数は約12万人で、インフルエンザでは約1500人です。つまり、1ヶ月に肺炎で約1万人、インフルエンザで100人が亡くなる計算です。
万全の医療サービスを提供しても、亡くなるケースはあります。しかし、本来なら提供できるはずの医療サービスを施せずに患者が亡くなるケースは避けなければなりません。
日本では「トイレットペーパーがなくなる」というデマに踊らされた人々が販売店に押し寄せる混乱が生じているのです。「『PCR 検査』を誰でも受けられる」とすれば、かなりの確率で医療インフラは崩壊することになるでしょう。
その結果、医療サービスを必要とする “弱者” の命から潰えることになるのです。メディアが煽った不安を解消するために医療インフラを崩壊させることは本末転倒と言わざるを得ません。
医師が「『PCR 検査』が必要」と判断した患者は検査が受けられる体制が用意されているべきですし、「入院治療が必要」と判断された場合は入院するための病床が空いている必要があります。
責任を取らずに済む立場にいるマスコミは「危険だ」と不安を煽る報道を続けるでしょう。一部の野党や自称・専門家も利益が一致しているため、騒ぎを大きくするはずです。
彼らは医療インフラが崩壊しても困りませんし、混乱を起こしたことの責任をこれまで問われたことがないからです。デマを流す有識者やマスコミに厳しい制裁を何らかの形で科す必要があると言えるのではないでしょうか。