2020年5月の電気代は再生可能エネルギーの全量固定買取制度(FIT)により、原油価格の下落分を加えても「値上げ」となる

 2020年5月の電気料金は大手電力会社10社すべてで「値上げ」となることが発表されたと NHK が伝えています。

 発電の大部分を占める火力発電用の燃料は輸入価格が下がったものの、再生可能エネルギーの全量固定買取制度(FIT)の上乗せ分が電気代に添加されたことで値上げとなりました。

 経済苦境に追い打ちをかける要因となっており、特に野党やマスコミが「是正」の声をあげるべきと言えるでしょう。

 

 大手電力会社によりますと、ことし5月の電気料金は10社すべてで値上げとなります。

 これは、火力発電の燃料となる天然ガスなどの輸入価格は下がったものの、太陽光や風力などの再生可能エネルギーで発電された電気を大手電力会社が買い取る制度に基づいて電気料金に上乗せされる負担額がことし5月から上昇するためです。

 

再生可能エネルギーに2兆3700億円も強制的に支払わさせられている

 大手電力会社が5月から電気代を値上げする理由は今月24日に NHK が報じた記事に理由が示されています。

 太陽光や風力などの再生可能エネルギーで発電された電気は、国の制度に基づいて大手電力会社が決められた価格で買い取ることになっていて、買い取りにかかる費用は電気料金に上乗せされています。

 この制度に基づく、新年度 令和2年度の上乗せ額が発表され、全体ではおよそ2兆3700億円となりました。

 電気の使用量が標準的な家庭の場合、年間で9288円となり、今より84円増えてこれまでで最も高くなります。

 新年度(= 令和2年度)に再生可能エネルギー割賦金として電力消費者は2兆3700億円を強制的に負担させられるため、料金単価が高く設定されることになったのです。

 再生可能エネの普及に熱心な人々が “自発的に” 買い取っているなら理解を得られたことでしょう。しかし、実際は孫正義氏と菅直人・元首相が主導した「あまりに割高な買取価格」を全消費者が負担をさせれているのです。

 民主党系の野党や左派系のマスコミは再生可能エネルギーを称賛していますが、彼らは高額な電気料金を全消費者に強いています。彼らが「弱者の味方」を名乗るのは欺瞞としか言いようがないでしょう。

 

FIT を止めれば年2兆3700億円、原発を再稼動すれば年3兆円の電気代が浮く

 野党やマスコミが称賛する『反原発・再生可能エネ推進』では「電気代が年5兆円以上高額になる」という状況にあります。

 しかも、その負担を全電力消費者に強制的に押し付けているのです。その額は日本の年間防衛費を上回っています。これでは経済が苦しい状況に置かれたままとなるでしょう。

 再生可能エネルギーの全量固定買取制度(FIT)を凍結すれば、年2兆3700億円の経済効果があります。標準的な家庭では「年9000円超の電気代値下げ」というメリットがあるのです。

 また、原発を “現行法令に則って” 再稼動するだけで「FIT を凍結する以上の経済効果」が毎年得られるのです。新型コロナウイルスの影響で国内経済が「息も絶え絶え」となっているのですから、市場環境を悪くしたままにしておくメリットは少ないと言えるでしょう。

 

電気代高騰を放置し続ける界隈に「新型コロナによる経済不況で人が亡くなったらどうするのか」と問い質す資格はない

 経済情勢が悪化すれば、それだけ経済苦を理由にして亡くなる人が多くなります。したがって、経済を悪化する理由を取り除くことが重要になります。

 「高額な電気代」を歓迎する日本国内の電力消費者はいないでしょう。

 日本の電気代が高騰して喜ぶのは「『日本国内に製造拠点を持つ企業』と市場で競争する企業」や「高い単価の売電収入を得ている事業者」などに限られます。国民の多数派には何の恩恵もないのですから、是正に取り組むことが “本物の弱者の味方” と言えるでしょう。

 「新型コロナの影響による経済不況で人が亡くなる」と懸念を示すなら、それに拍車をかける FIT にも同様に批判しなければなりません。“利権” を温存させる意味はないため、「再生可能エネルギーの高額買取は購入希望者のみ」に制度を変更すべきではないでしょうか。