新型コロナウイルス（covid-19）：日本国内の患者・退院者・死者の推移【2020年3月29日〜 4月4日】

厚生労働省の発表する「新型コロナウイルス感染症の現状と厚労省の対応」から感染確認者（＝ PCR検査陽性反応者）数・患者数・退院者数などをグラフ化しました。

グラフ化の対象期間は2020年3月29日（日）から4月4日（土）までです。

なお、2020年4月4日時点で退院が確認された人は575名（国内：559名、チャーター機：15名、空港検疫1名）です。

3月28日の時点から以下のように陽性反応者・死者・退院者数が推移しました。（数値は国内事例）

3月28日（土）時点での感染者数
- 陽性反応者： 1453
- 死者： 49
- 重症者： 60
- 退院者： 388
4月4日（土）時点での感染者数
- 陽性反応者： 2855 (+1402)
- 死者： 69 (+20)
- 重症者： 69 (+9)
- 退院者： 559 (+171)

陽性反応者が「ほぼ倍増」となっており、この部分は懸念材料と言わざるを得ないでしょう。

これは「3月前半のヨーロッパ旅行で感染した人々が帰国後に発症したこと」と「3月20日からの3連休で気が緩んでいたこと」のダブルパンチが大きな要因と考えられます。

そのため、極度に悲観的になる必要がないことも事実です。

ポジティブな要素は「死者や（集中治療室での処置が必要となる）重症者の発生ペースは高くないこと」です。

重症者は増えていますが、4月4日時点で69名。死者も同じ69名です。一方で重症から回復したのは38名。重症からの回復率は 35.5% となっています。

高熱と身体中の痛みで苦しむ患者であっても、“人工呼吸器が必要ではない患者” は「軽症（または中等症）」に分類されます。

患者当人からすれば「強烈な不満」を覚えるでしょうが、医療資源は有限です。“人工呼吸器を使った治療ができる病床” を「人工呼吸器を必要としない患者」が占有すると、助かる可能性のあった患者が命を落とすことになります。

この点を “今現在の患者” と “患者予備群” に周知できるかがポイントになるでしょう。

最後に日本国内における人口100万人あたりの新型コロナウイルスによる死亡率は下図のとおりです。

3月29日から4月4日までの数値は「0.16」です。人口100万人あたりで結核によって亡くなる人は 0.34 人/週ですから、（新型コロナの死亡率は）「結核の半分以下」という事実も加味する必要があるでしょう。

軽症者が病床を埋めることはナンセンスですし、「不安だから検査をしてくれ」という著名人からの要望に “忖度” することも論外です。「感染した疑いがあるから2週間の自主隔離をする」と発信し、世間に手本を示して欲しいところです。

危機意識の乏しいメディアから『３密回避の徹底』が呼びかけられるまで耐え続ける必要があると言えるのではないでしょうか。