“なでしこジャパン対策” を打ち破れるかがリオ五輪出場の鍵

 2月29日から始まったリオオリンピック出場を賭けた女子サッカーアジア最終予選で、なでしこジャパンはオーストラリアに敗れるスタートなりました。

 上位2カ国に与えられる出場権を確保するためには、早くも崖っぷちに追い込まれたと言えるでしょう。巻き返しの鍵は各国が行って来る “なでしこジャパン対策” を打ち破り、勝点3を獲得できるかがポイントになります。

 

 まず、サッカー女子日本代表の今後のスケジュールは下表のとおりです。

なでしこジャパンのリオ五輪出場を賭けた対戦日程
試合日対戦相手試合結果
2月29日(月) オーストラリア(9位) 敗:1-3
3月2日(水) 韓国(18位)  
3月4日(金) 中国(17位)  
3月7日(月) ベトナム(29位)  
3月9日(水) 北朝鮮(6位)  

 サッカー女子日本代表の FIFA ランキングは現在4位。参加した全6カ国の中で最上位に位置しています。

 また、対戦相手国の順番もランキング的に出場権を争うであろうオーストラリア(9位)と初戦で当たり、1番のライバルであると目される北朝鮮(6位)は出場権が決まっている可能性が十分に考えられる最終戦と開催国の恩恵を最も享受できるスケジュールが組まれています。

 おそらく、「初戦でオーストラリアに勝ち、ロンドン五輪予選の雪辱に燃えるオーストラリアが北朝鮮や韓国と潰し合いを行っている中、日本は最終戦を前にリオ五輪出場枠を手にしている」というシナリオを描いていたと思われますが、早くも見直すことを余儀なくされることになりました。

 したがって、この状況を立て直せるかが注目点と言えるでしょう。

 

 ただし、ここで非常に厄介になってくるのが “なでしこジャパン対策” を行って来る参加国の存在です。

 参加6カ国中、2カ国にオリンピック出場権が与えられるのですから、上位2位までに入れる見込みがあると考える国ほど “なでしこジャパン対策” を入念に準備してくるでしょう。そして、ネックになるのはそれらの国が「日本戦は勝点をとれれば、OK」と割り切る可能性があることです。

 2012年のロンドン五輪を賭けたアジア予選では出場権を獲得した日本と北朝鮮にオーストラリアは敗れ、3勝2敗(勝点9)の3位で出場権を逃しました。

 予選2位の北朝鮮が3勝2分(勝点11)だったのですから、格上のチームから勝点1をもぎ取ることは出場権獲得に大きく影響します。つまり、“なでしこジャパン対策” を行う理由は実力国ほどあるということなのです。

 では、実際に採用される対策にはどのような方法があるのかをリストアップしてみることにしましょう。

 

「パスで相手を揺さぶり、スタミナを消耗させ、自分たちのペースに持ち込んで、勝負を決める」

 上記が、なでしこジャパンの “強み” と言われる部分でしょう。この方法が効果を発揮するのはリードした状況であることは言うまでもありません。ボールを奪い返しにくる相手の動きによって生まれたスペースにパスを出し、スタミナを奪うことができれば、自分たちがそれだけ優位に立ち、試合を進められるからです。

 ですが、試合はイーブンの状態で始まりますし、各国の持つ特徴や目指すスタイルにそった効果的な対策を用意するというプロセスが採られること一般的です。

 

 ディフェンスの裏に何度もスプリントができる走力とスタミナを持った FW を要しているなら、低い位置に守備のラインを敷き、ロングカウンターに重点を置いた戦術が威力を発揮するでしょう。

 爆発的な瞬発力とフィジカルの強さを武器にする FW がエースとして君臨しているのなら、守備のラインを高く設定し、チーム全体で狭い距離感を保ち、パスの出し手に対して徹底的なプレッシングからのショートカウンターが効果的になります。

 バルセロナの “チキタカ” をベースとしているサッカー女子日本代表にボール支配率で負けたことを問題視する代表チームは少なくともアジアには存在しないでしょう。なぜなら、その彼女たちに勝つことを目標にしているチームがほとんどだと思われるからです。

 「良い結果を持ち帰るにはスタミナが不可欠であり、闇雲にボールを追いかけることに意味はない」と割り切ったチームほど、なでしこジャパンは攻めあぐね、多くのピンチを迎えることになるでしょう。自分たちのスタイルを貫くことも自由ですが、そのスタイルがほぼ丸裸になりつつあることも理解した上で試合に臨む必要もあると言えるでしょう。