メディアセンターの設備がが東京ビッグサイトを占有したままなのだから、マスコミが代替施設の提供に率先して奔走すべき

 NHK によりますと、東京オリンピック・パラリンピック時にメディアセンターとして利用される東京ビッグサイトで展示会ができない状況が続くことへの対処を要望する声が都に出されたとのことです。

 大会そのものが「簡素化」へ舵を切っているのですから、コロナ禍以前と同じメディアセンターを維持する根拠は薄くなっています。“企業の商談機会” を潰している現状は無視できないため、マスコミには代替施設の提供に協力する責務があると言えるでしょう。

 

 東京 江東区にある東京ビッグサイトは、展示場や会議室などを備えた国内最大のコンベンション施設で、東京オリンピック・パラリンピックでは、国内外のメディアの拠点として使われます。

 大会は1年延期されたものの、施設の約半分を占める「東展示場」は、放送用の設備を設置したままにしておくため、大会が終わった後の来年秋まで使うことができません。

 これについて、これまで展示会に出展してきた企業や団体など572社は、このほど、都に対して、賛同する約2800人の署名と合わせて、代わりの施設として仮設の展示場を建設するよう要望しました。

 

“実物を展示して商談に繋げる場” を東京ビッグサイトが担っていた

 東京ビッグサイトのようなコンベンション施設は『見本市』を開く役割を担っています。大手マスコミにとっては「ニュースにするような価値もないイベント」ですが、企業にとっては「重要な商談の場」です。

 なぜなら、実物を展示することができるため、自前の販売・購買網を持たない企業には欠かせない場なのです。

 自社の販売網や物流網を作るには資金が必要です。また、購買網についても同様です。ただ、中小企業の場合は全国規模の販売網を持っている方が稀で、主な商談の機会が『展示会』というケースは珍しくありません。

 “国内最大” のコンベンション施設である東京ビッグサイトで行われる『展示会』はそれだけ「年最大のセールス機会」になり得るのです。したがって、それが損なわれている現状は速やかに是正する必要があるでしょう。

 

「マスコミ用の放送設備をそのままにする」が理由なのだから、都とメディアが損失補填をすべき

 ビッグサイトの利用ができなくなっている理由は「オリンピック・パラリンピック時にメディアセンターとして利用する設備を残したままにするため」というものです。

 都としては「撤去・再設置費を削減したい」との思惑があるのでしょう。ただ、その結果として「商談機会を喪失する中小企業」が発生するのです。現状を放置することは望ましいことではありません。

 まず、オリンピックやパラリンピックは「簡素化」へと進んでいる状況にあります。選手や大会関係者の数を減らそうとしているのですから、大会を取材するマスコミ関係者の人数を制限すべきでしょう。

 つまり、「コロナ禍が発生する前に想定された規模のメディアセンターが必要であるか」に疑問符が付くのです。

 「選手との接触機会」は大きく限定されることが濃厚ですが、これは『オンライン取材』で代用することが可能です。日本政府による入国制限が残っていることもあり得るのですから、マスコミだけを優遇する意味は少ないと言えるでしょう。

 

在京テレビ局 “お詫び” の意味を込めて協力しては?

 東京ビッグサイトが利用不可となる期間が増えたのは「新型コロナウイルスの感染拡大」が原因ですが、日本国内で不必要なまでに危険を煽ったのはマスコミです。そのため、お詫びの意味を含めた贖罪をすべきだと言えるでしょう。

 「展示会への出展が困難になった企業・団体への損失補填をせよ」と言っているのではありません。「展示会の開催な可能な施設またはスペースを用立ててあげるべき」と言っているのです。

 これなら、在京テレビ局および新聞社は惜しみない協力が可能なはずです。

 特にテレビ局は自社がプロデュースする『夏のイベント』を大々的に宣伝して集客に躍起になっています。そのために「スペース」がある訳ですから、「展示会の開催場所」として提供するなどで贖罪は可能です。

 イベント設営などの需要が消滅すると来年以降に影響が出るため、2020年に限った特別措置を講じることで “社会貢献” にも熱心な報道機関として実績を残すべきと言えるのではないでしょうか。