日刊スポーツに「サッカー日本代表の新ユニフォームは迷彩柄」と報じられたアディダス、マスコミ向けのプレスリリースで誤魔化す

 日刊スポーツが「2019年11月の国際Aマッチデーから採用するサッカー日本代表の新ユニフォームが『迷彩柄』であることが判明した」と報じました。

画像:日刊スポーツが報じた記事

 アディダスは「弊社が正式に発表したものではない」とマスコミ向けのプレスリリースで否定していますが、リーク画像を見る限りでは確定的と言えるでしょう。

 なぜなら、リーク画像を掲載しているサイトは「新ユニフォームの精度」という点で定評があるからです。

 

最初に報じたのは Footy Headlines というサイト

 アディダスは「一部報道機関において〜」との文言から始まるプレス向けのリリースで「正式に発表したものではない」とリーク問題の沈静化を図っています。これはリーク映像が Footy Headlines に掲載されてしまったからでしょう。

画像:リークされた画像(Footy Headlinesより)

 このサイトは新ユニフォームのデザインだけでなく、ヨーロッパの主要リーグで使用されている公式球のデザインやスパイクのデザインを(ほぼ満遍なく)リークしています。

 おそらく、日刊スポーツの内部に Footy Headlines の存在を知っている人物がいたのでしょう。そのため、日本代表チームの新ユニフォーム画像が掲載されていることに気づき、記事にしたのだと考えられます。

 

日本代表の新ユニフォームはこれまでリークされたことはなかった

 サッカー日本代表の新ユニフォームが騒動になっている理由は「新ユニのデザインが初めてリークされたから」でしょう。

 Footy Headlines にはレアル・マドリードやバルセロナなどのビッグクラブが来シーズン着用する予定の新ユニフォームのデザインが毎年リークされています。強豪国の新ユニフォームも同様です。

 そうしたビッグクラブや代表チームはリークされた画像に対し、ファンから反対運動が起きたとしても無視をします。直近では伝統的な「白と黒のストライプデザイン」ではなく「ストライプではなくアシンメトリー柄」を採用するとリークされたユベントスにファンが反対運動を起こしましたが、クラブは意に介さず変更に踏み切りました。

 しかし、正式発表の前に “実際のユニフォームデザイン” をリークされたアディダス・ジャパン(や日本サッカー協会)は面を食らったのでしょう。無反応を貫くべきところで反応してしまいました。

 この点については経験力の乏しさが露呈する結果になってしまったと言わざるを得ないでしょう。

 

迷彩柄にすると(背番号や選手名の)視認性や判読性が悪化するが、問題はないのだろうか

 また、懸念されるべきは『迷彩柄』を採用すると、背番号や選手名の視認性や判読性が悪化してしまうことです。

 『青系の濃淡で表現された迷彩柄』に白抜き文字で背番号や選手名を記すなら、まだマシです。しかし、サッカー日本代表が採用するのは『青と白を使った迷彩柄』ですから、背番号や選手名が観客席からやテレビ中継で認識しにくくなることは避けられません。

 この状況はステップアップを考える若手選手にとって迷惑でしょう。なぜなら、背番号による判別が難しくなる損失を選手が被る結果を招いてしまうからです。

 スカウトなら動きの特徴などから選手を判別することは十分に可能と考えられますが、一般のサッカーファンには難しいことです。選手の癖から見分けられるのは相当のサッカー好きで、「すごい」と思った選手が何番を着けていたのかを一目で分からないとファン獲得の絶好の機会を失うことにもなるからです。

 サッカーのトップカテゴリーはプロスポーツですから、プレーで魅せることができる選手は重要な存在です。それができる選手が正しく評価されにくい環境は作るべきではないと言えるでしょう。

 

 「選手のプレー内容」が最も重要ですが、「プレーする選手がより格好良く見えるユニフォームのデザイン」も重要です。日本サッカー協会は代表チームのユニフォーム・デザインにも気を配る必要があると言えるのではないでしょうか。