女性の社会進出を訴えるなら、金子恵美議員に “言いがかり” を付けた週刊新潮を批判しなければならない

 「自民党の金子恵美・総務省政務官が公用車を使い、子供を保育園に送迎している」と週刊新潮が批判する記事を書いています。

 これは非常に悪質なバッシング記事です。もし、“女性の社会進出” を訴える活動や認める意見を持っているなら、週刊新潮の記事そのものを批判しなければならない内容になっているからです。

 

1:金子議員は「公用車の運用基準」を満たす立場にある

 公用車の運用基準(PDF)では次のように記載されています。

  1. 内閣に置かれる機関および各省(以下「各府省」という。)において公用車による自宅等への継続的な送迎 (以下「送迎」という。)提供するのは、役職級による一律の基準ではなく、職務の重要性及び緊急度を中心に 判断し、次に掲げる者のうちその送迎の必要性が合理性かつ妥当な者に限るものとする。
    1. 政務三役等、内閣に置かれる機関(内閣府および復興庁を除く。)の特別職の職員及び各府省の事務次官等

 金子恵美議員は総務省政務官ですから、『政務三役等』の条件は満たしています。これを念頭に置き、送迎で公用車を使ったことが「合理的で、かつ妥当だったか」を確認する必要があります。

 

2:「自宅」と「(勤務先である)議員会館内にある保育所」への送迎である

 金子議員に対する週刊新潮の批判内容は「自宅から(議員の職場である)衆院第二議員会館にある保育所への子供の送迎に公用車を使った」というものです。

 この主張は完全な “言いがかり” と言えるでしょう。

 

 金子議員は総務省政務官という重要な役職に担っており、公用車を利用する資格を有しています。また、週刊新潮が批判した利用方法は「自宅から出勤する際、職場内にある保育所に子供を預けるため、一緒に通勤した」に過ぎないのです。

 職場内にある保育所に子供を預けるのであれば、子供一緒に通勤することが “合理的” です。子供を送ってから一度帰宅し、再度出勤するというのは非常にバカげていますし、明らかに時間をムダにしていると言えるはずです。

 

3:週刊新潮のロジックが通用するなら、事業所内託児所を持つTBSと博報堂は公私混同をしている最右翼となる

 週刊新潮による主張が認められるのであれば、「通勤途中に子供を保育園に連れて行くこと」自体が問題となります。なぜなら、公私を混同しているからです。

 会社は従業員に給与を支払っていますが、それは “労働の対価” として支払っているのです。会社に労働力を提供してもらう見返りに、交通費を出しており、従業員はそれで通勤定期を購入しています。

 つまり、週刊新潮のロジックでは「通勤途中に子供を保育園に連れて行くことは公私混同」となるのです。

 週刊新潮の主張内容には無理があります。新潮側の主張に賛同すれば、事業所内託児所を持つTBSと博報堂は公私混同を露骨に行っている企業の筆頭格となります。さすがに無理があると言えるでしょう。

 「子供を保育園に送ったその足で出勤している社員Aが子供を保育園に送る途中で事故に遭い怪我をした。労災は認められるか」という設定で、労災は認めないのなら週刊新潮の主張は共感されるでしょう。

 しかし、現実にそのような判断が下されれば、リベラルが怒るのではないでしょうか。

 

4:なぜ、リベラルを自称するメディアは黙ったままなのか

 「女性の社会進出」のハードルを上げようとする週刊新潮の報道に対し、リベラルを自称するメディアから批判の声が出てこないことは致命的です。

 『自民党批判 > 女性が働きやすい社会』という価値観を持っているのでしょう。

 要するに、自民党を批判することに重要視し、それによる弊害を一切考慮していないのです。重要事案に携わる政務官の時間を浪費させるよう制度を改めたことで、国民の生活にどのような恩恵がもたらされるのかを考えなければなりません。

 個人的には、子育て中の議員は委員会に子供と同伴でも問題ないと思います。「議場で大声を出す、走り回る」という妨害行為をしないなら、同伴を認めるべきでしょう。

 質問時間以外は寝ていたり、携帯電話を操作している問題議員がいるのですから、拒否する理由にはなりません。質問時間を最大限に活用できるなら、質疑の際に連れていても問題ないと思われます。

 

5:民進党の蓮舫が「働く子育ての世帯の味方ではない」ことが改めて示された

 ちなみに、民進党の蓮舫代表は NHK に対し、次のように述べています。

 民進党の蓮舫代表は記者会見で「公用車の私物化で、自分の子どもを保育園に送り迎えしている。今の政権にいる方たちは『支持率が高ければ、行政を公私混同しても、何をしてもよいんだ』という、緩み、おごりがあまりにも目に余る」と述べました。

 「通勤の際に(職場内に設置された)保育園に子供を預けることはけしからん」と述べているのです。子育てなど子供支援に関心があるとマスコミでアピールしながら、やっていることは真逆です。

 おごっているのは自民党ではなく、野党でありマスコミなのです。

 “保育園に預ける等の子育て期間が終わった政務三役等を担当する議員” は公用車で通勤できますが、金子議員のように子育て期間の真っ最中で政務三役等を担当する議員は通勤手段が限定されることになりました。これこそ、本末転倒と言えるのではないでしょうか。