住民の不安を煽り、自社の売り上げを伸ばそうとする朝日新聞

 朝日新聞が3月14日付の朝刊で、原発周辺の放射線観測装置(モニタリングポスト)の設置をめぐるトンチンカンな記事を書き、批判を受けています。

画像:朝日新聞3月14日付の朝刊

 記事のどの部分に問題があり、なぜ批判を受けているのでしょうか。

 

 それには原子力災害が発生した場合の避難基準を把握する必要があります。具体的な基準は福島第一原発での事故を受け、避難基準は次のように改訂されました。

  • 原発事故が発生→ 5〜30キロ圏内はまず屋内避難を行う
  • 放射線測定の閾値を超えた場合は避難
    1. 毎時20μSvが1日続く → 1週間以内に避難
    2. 毎時500μSvに達する → 即時避難

 

 これに対し、朝日新聞は「川内原発の 5~30 キロ圏にある48台のモニタリングポストのうち、22台が毎時 80μSv までしか測れない」と指摘し、問題視しました。

 一見すると、朝日新聞の主張は正しいように思えるでしょう。ですが、毎時 80μSv がどのような数値であるかを確認すると、朝日新聞が指摘していることは言いがかりにすぎないことが判明します。

 

 毎時 80μSv を年間に直すと、80(μSv)×24(時間)×365(日)=700800(μSv)=700mSvとなります。

 年間100mSv 以下では LNT 仮説による影響は見られませんし、福島県内では年間 20mSV のエリアに帰宅させるかどうかで反原発派がリスクを声高に叫んでいる状況です。

 そもそも、年間100mSv を超えるようなエリアは日本国内には存在しないでしょう。あるとすれば、福島第一原発の破損した格納容器付近だと思われますが、一般人が普段の生活で近づけるエリアではありません。

 実用面を考えると、毎時 80μSv まで計測できれば十分です。即時避難の対象値(毎時500μSv)の測定についても、残りの26台で計測する体制が採られるのですから十分と言えるでしょう。

 

 朝日新聞が主張していることは、「熱中症対策として設置された温度計では、(即時避難が必要な)火災が発生した際の温度を測れない」と言っていることと同じなのです。

 目的用途によって最適な機器が違ってくるのは当然のことです。朝日新聞は “万能ツール” があるとでも思っているのでしょう。

 温度計は気温を測定することに適しており、火災発生時の温度を測るものではありません。体重計は人間の重さを測ることに適していますが、料理に使用する砂糖や塩などの調味料の重さを測ることには適していません。

 このような単純なことを無視し、原子力発電を敵視し続け、抗議に対しても開き直りを見せる朝日新聞の姿勢は非常に問題だと言わなければならないでしょう。