蓮舫議員は民進党の代表となる前に自らの国籍選択の経緯を明らかにする責務がある
岡田克也代表が辞任することに伴う民進党の代表選挙は蓮舫議員を中心に展開する様子を見せています。
蓮舫氏は日本外国特派員協会での会見で「ハーフである私が首相になることは、日本が変ったというメッセージになる」とコメントしていますが、複数の国にルーツを持つからには自らが行った国籍選択に対する経緯を説明する責任があります。
日本では原則として二重国籍は認めていません。特に、“公人中の公人” である野党第一党の代表が二重国籍であることは論外です。
日本国のために働かなければならない政治家が「日本の国益を2番以下に置く」と見られる動機があることは問題視されるでしょう。
なぜなら、複数国の国籍を有している人はどの国に対しても同じだけの愛情・愛着を持っていると考えることが自然だからです。その状況から「特定国の国籍をいつ、どのように選択したのか」を説明することは公人としての責務であるはずです。
1967年生まれの蓮舫氏を事例として取り上げると、当時の日本は父系主義でした。したがって、蓮舫氏の国籍は父親である謝哲信氏が持つ中華民国籍が蓮舫氏に付与されました。
その後、1985年(蓮舫氏が18歳の時)に国籍法が改正され、日本人の母親を持つ人物にも日本国籍が与えられる法体系に変更されました。これにより、日本人を母に持つ蓮舫氏も日本国籍を保有しました。
現在でもそうなのですが、本人が22歳になるまで日本でも二重国籍が認められています。つまり、蓮舫氏も自身が22歳となる1989年までは二重国籍であったとしても、何の問題もないのです。
しかし、22歳の誕生日を迎えた後も二重国籍が続いているのであれば、問題です。したがって、蓮舫氏はどの時点で日本国籍を選択し、中華民国籍を放棄したのかを明らかにする必要があります。
「なぜ、そのような要求を帰化した蓮舫氏に向けるのか」と疑問に思う人もいるでしょう。なぜなら、国籍を放棄せず、二重国籍状態になっている人物が多く存在するからです。
ノーベル賞を受賞した中村修二氏が事例の1つです。中村氏はアメリカの市民権を保有していましたが、日本国籍の離脱手続きが完了しておらず、結果として二重国籍状態になっていました。
これと同じことが蓮舫氏のケースででも考えられるからです。
- 中華民国籍を放棄済
- 法令に従い、22歳までに放棄
- 22歳を過ぎていたが、放棄の手続きは完了済
- 中華民国籍の放棄が完了していない
- 違法な二重国籍状態が現在も続いている
少なくとも、蓮舫氏が過去に自身が保有していた中華民国籍の扱いを公表しない限り、「二重国籍疑惑」は報じられ続けることになるでしょう。
政治家であり、次期首相の有効候補である人物が法令に違反する形で二重国籍であるとの疑惑が持たれていることは国政政党と問題視しなければなりません。
政治(特に外交)の世界では国益と国益が衝突します。「利害関係が一致する」と言葉で述べたところで、現実には利益は一致することはあっても、損害が一致することはないのです。
当然、日本は台湾・中国と国益が完全に一致することはありません。国益の衝突が起きることは想定の範囲内ですし、その際に日本の国益を最優先にすることが政治家には求められています。
二重国籍者であれば、1つの国でやりたいようにやり、批判を招くともう1つの国に逃げることができます。国家は国籍保有者を保護する立場にあるのですから、忠誠心が疑われる二重国籍者が国のトップに就くことは大きなリスクが伴うと言えるでしょう。
日本の国益より他国の国益が優先されるようなことがあってはならないのです。この当たり前のことが理解できないようでは民進党が再び政権に返り咲くことはないでしょう。