安倍首相とトランプ大統領の日米首脳会談は成功と言えるだろう、対案を出せない野党の批判には意味がない

 安倍首相とトランプ大統領による首脳会談について、菅官房長官が「極めて意義があった」とコメントを出したとNHKが伝えています。

 野党は「距離が近すぎる」などと批判していますが、自分たちがどういった立場を採るのかといった具体的な対案を提示しない状況では意味がありません。少なくとも、安倍政権が結果を出した分野を認めた上でさらなる改善案を示すことができなければ政権交代など起きないと言えるでしょう。

 

 菅官房長官は「今回、トランプ大統領との間で共同声明を発出したが、これは、アメリカの新政権として、首脳レベルでの初の2国間の文書だ。この文書は、日米同盟および経済関係を一層強化するため、両首脳の強い決意を確認したものであり、今回の会談は、今後の日米関係をさらに発展させるうえで極めて意義があった」と述べ、成果を強調しました。

 (中略)

 一方、麻生副総理兼財務大臣とペンス副大統領のもとに立ち上げる経済対話に関連して、菅官房長官は「ペンス副大統領にできるかぎり早く訪日してほしいと要請を行っている。財政・金融政策などのマクロ経済政策、インフラ・エネルギー・サイバー・宇宙などの分野での協力、貿易・投資に関するルール、この3点を中心に対話が行われると思っている」と述べました。

 

 

 今回の訪米での最大の成果は「アメリカ大統領と良好な関係で終えたこと」と言えるでしょう。アメリカは日本にとっての最重要国であり、トランプ大統領はその最重要国のトップとして4年間君臨することは確実なのです。

 最重要の首脳と良好な関係であることを確認できたことは安倍政権にとっての大きな評価と言えることです。

 しかし、「トランプ大統領が(議会から)弾劾されるリスクがある」と指摘する人もいるでしょう。仮に弾劾が成立したとしても、ヒラリー・クリントン氏など民主党の人物が大統領になる訳ではなく、副大統領のマイク・ペンス氏が大統領に昇格するのです。

 その点を踏まえても、麻生副総理兼財務大臣とペンス副大統領の間で経済対話を進める方向で一致したことはプラスに評価されることです。TPP交渉で成果を残した甘利明氏が麻生派に入ったとのことですから、二国間協定締結に向けた交渉について悲観する必要は少ないと言えるはずです。

 

 オバマ政権時にも外交で結果を残し、トランプ政権とも良好な関係を築いた安倍政権に対し、野党は距離が近いことを問題視するコメントを出しています。

画像:外交姿勢の違い

 民進党など野党は「日米関係と日中関係は等距離であるべき」との外交姿勢を示し、中国との関係を強める政策を実行しました。その最たる例が200人超の国会議員を引き連れた “朝廷外交” だったと言えるでしょう。

 安倍政権が進める「日米同盟を重視する政策」に反対するのであれば、野党が掲げる “日米中関係は正三角形” となる方針の下、どういった政策を実行し、それによって得られる結果を有権者に示す責任が野党にはあります

 現実的に優れた政策であるなら、選挙に勝つことができますし、政権を取ることもできます。単に「中国に配慮せよ」という要求をオブラートに包んだだけでは有権者を騙すことはできないのです。

 

 批判的な見解しか述べない国の首脳が述べることが聞き入れられるかは日韓関係を見れば明確です。

 “ノイジーマイノリティー” の意見が通るのはごく一部の例外的なケースに限定されていますし、有権者の多数派が持つ意見に反する形で「少数の活動家による主張」が認めることは民主主義が機能していないと見なされることになるからです。

 「適切な距離感を保つべき」と主張すれば、「それは中国や韓国との関係でも言えること」との反論を招くことになります。その際に、どういった二国間関係が適切であるかを論理的に説明できなければ、支持されることはないと言えるでしょう。

 安倍政権の行った政策に注文を付けるしかできないのであれば、党勢が低迷することは当たり前だということを理解する必要があるのではないでしょうか。