朝日新聞・鮫島浩記者、実在が疑われる “厚労省の医者” を使って『反ワクチン運動』を煽動する

 朝日新聞の鮫島浩記者が『反ワクチン』の陰謀論を応援するようなツイートをしています。

画像:鮫島浩記者のツイート

 ただ、このツイートをクオリティー・ペーパーを自称する新聞社の記者が行うことは極めて不適切と言えるでしょう。なぜなら、「反ワクチン運動は健康への脅威」と WHO (= 世界保健機関)が名指ししているからです。

 

WHO が指摘した「2019年、世界の健康に対する10の脅威」

 世界中の保健衛生問題に取り組んでいる WHO はウェブ上で2019年・世界の健康に対する10の脅威を掲載しています。

  1. 大気汚染と気候変動
  2. 非感染性疾患(がん・糖尿病・循環器 / 呼吸器疾患など)
  3. 新型インフルエンザの大流行
  4. 貧弱で脆弱な保健サービス環境
  5. 薬剤耐性
  6. エボラなど高脅威病原体
  7. 一次医療体制の不足
  8. ワクチン拒否運動(= 反ワクチン運動)
  9. デング熱
  10. HIV

 その中の1つに『反ワクチン運動』が入っているのです。記事では「予防接種は病気を回避する最も費用対効果が高い方法の1つ」と紹介され、年間 200〜300 万人が亡くなることを防いでいると報告されています。

 ところが、反ワクチン運動が活発になると共に、撲滅状態に持ち込んだ病気の感染者数が増加。『はしか』に対しては全世界で症例者数が +30% を記録する事態となっているとの記述もあります。

 「信頼できる正確な情報を伝達すること」がメディアには期待されているのですが、『子宮頸がんワクチン問題』などでは不安を煽る側にマスコミは回ったのですから、是正に乗り出すジャーナリズムがあるとは言い難い状況になっていると考えざるを得ないでしょう。

 

“厚労省の医系技官” と称さず、“厚労省の医師” と名乗る奇妙な情報源

 鮫島記者のツイートで奇妙なのは「厚労省の “医師” から聞いたことがある」と主張している点です。

 厚労省の職員で『医師免許』を持つ人はいますが、彼らは自らを「医師」とは言いません。「医系技官」と称することがほとんどだからです。

 そのため、鮫島記者が情報源だと主張する人物が本当に実在しているのかが疑われるのは当然です。

 もし、実際に「予防接種(の有効性)を否定する厚労省の医系技官」が存在するなら、それこそ大問題です。朝日新聞の大好きな政権批判ができるのですから、公衆衛生のためにも、発言者を名指しで批判すべきと言えるでしょう。

 

「医師や厚労省の話を鵜呑みにせず」と言いながら、『反ワクチン運動』の主張を鵜呑みにする矛盾

 また、「鮫島記者のツイートには矛盾がある」と指摘しておく必要もあります。鮫島記者は「実在が疑われる厚労省の医師から聞いた話」を鵜呑みにする一方、「医師や厚労省の話を鵜呑みにせず」と書いているのです。

 矛盾が含まれたツイートをすることは “文書のプロ” である新聞社の記者として恥ずかしいことと言わざるを得ないでしょう。

 仮に、鮫島氏が言う巨大利権が存在するなら、有能なジャーナリストが利権構造を暴いているでしょう。そうでなくても、利権の配分を巡る内部での権力争いに敗れた側が “暴露” という形で世間に告発しているはずです。

 実際に存在する利権は『同和利権』のように「公然の秘密」となっており、科学的な検証すら満足にできないマスコミが検証したところで報じることはできない代物です。医療ジャーナリズムを掲げ、“ジャーナリストごっこ” をすることが「関の山」でしょう。

 公衆衛生上の問題を引き起こすツイートをするような人物を雇用し続ける朝日新聞の責任も重いと言わざるを得ないのではないでしょうか。