参院選に向けた野党の連携加速は破滅に向かう特別列車と同じである

 4月24日に衆議院の補欠選挙が行われ、野党は「京都3区で勝利し、北海道5区で善戦した」と口を揃え、手応えは確かにあったと強調していることを NHK など各メディアが報じています。

 しかし、投票状況を見た限りでは野党側の分析は的を得ていないと言わざるを得ない部分があります。このまま連携を加速させるようでは夏の参院選では惨敗となるでしょう。

 

 まず、京都3区は野党の不戦勝です。

表1:衆議院京都3区補欠選挙(投票率 : 30.12%)
候補者名当落得票数
泉健太(民進・前)
〔社民党推薦〕
65,401票
森夏枝(おおさか維新・新)   20,701 票
小野由紀子(こころ・新)   6,449 票
田淵正文(無・新)   4,559 票
大八木光子(諸派・新)   2,247 票
郡昭浩(無・新)   370 票

 

 投票率が前回の49.22% から19.1ポイントも下げ、30.12% と戦後最低を記録したことと、自民党系の与党候補が不在だった2点が特筆事項と言えるでしょう。

 2014年に行われた衆院選での泉健太議員の得票数は 54,900 票。共産党から出馬した石村和子候補は 26,655 票を獲得しました。両候補が獲得した得票数の約8割を獲得しているため、民共連携による一定の効果は現れていると主張することは可能です。

 しかし、与党候補不在のため共産党が表舞台に出る必要性がなかったという特殊な事例であることを無視すると、手痛いしっぺ返しを受けることになるでしょう。

 

 次に、『与党陣営 vs. 民共連携陣営』の構図となった北海道5区は与党に軍配が上がりました。

表2:衆議院北海道5区補欠選挙(投票率 : 57.63%)
候補者名当落得票数
和田義明(自民・新)
〔公明党・新党大地推薦〕
135,842 票
池田真紀(無・新)
〔民進党・共産党・社民党・生活の党推薦〕
  123,517 票

 北海道5区は町村信孝・前衆議院議長が死去したことで行われました。和田候補が町村氏の娘婿という立場であったことから、当初は “弔合戦” の見方が出ており、与党有利と言われる状況で公示を迎えます。

 ところが、和田候補が町村姓を名乗らなかったことで “弔合戦” で期待できる同情票の要素が消え、野党陣営による「一流商社で20年の勤務経験を持つ支配者層の落下傘候補に対決する市民代表」というイメージ戦略に合致させた池田候補と横並びになるなど激しい選挙戦が繰り広げられました。

 ただ、結果は前回の衆院選挙とほぼ変わらない投票率(前回比:0.8% ダウン)の中、和田候補は故・町村氏の得票数から4400票を上乗せしました。野党連携を訴えるのであれば、この結果を重く受け止めなければなりません。

 

 京都3区で勝利した泉健太議員は「立憲主義に基づく政治、戦争法反対」など中身の薄い政策が有権者に受け入れられたとインタビューで語っていましたが、参院選の選挙公約ですら公募しようと検討している政党に期待する人がいる方が不思議なことです。

 現状では民進党や共産党による連携協定は存在しないのですから、投票した有権者は彼らに白紙の委任状を手渡したことと同じです。

 また、「無党派層の7割が池田氏に投票した」ことを理由に、野党連携で勝てると主張する声もあります。しかし、“投票に行った無党派層” と “投票に行かなかった無党派層” が同じ行動をする保証はありません。

 少なくとも、国会前で平日にデモ活動を行うことを快く思わない無党派層も存在します。“うさんくさい候補” が選挙で勝てるほど有権者はバカではないでしょう。野党共闘、即壊滅という事態が現実に起きるのではないかと思われます。