2017年フランス大統領選、フィヨン対ルペンの構図がより鮮明に
2017年に行われるフランス大統領選に対し、BVA が12月2日〜4日までの間で世論調査を行った結果を発表しました。
最大野党・共和党の候補フランソワ・フィヨン氏と国民戦線の候補マリーヌ・ルペン氏の決選投票になることが濃厚です。与党候補には依然として逆風が吹き続ける状況が続いています。
得票率 | ||
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Ⅰ | 与党候補:M. バルス | 1:フィヨン(24%) 1:ルペン(24%) 3:メランション(14%) 3:マクロン(14%) 5:バルス(13%) 6:バイル(6%) |
野党候補:F. フィヨン | ||
Ⅱ | 与党候補:A. モントブール | 1:ルペン(24%) 2:フィヨン(23%) 3:マクロン(19%) 4:メランション(14%) 5:バイル(8%) 6:モントブール(6.5%) |
野党候補:F. フィヨン | ||
Ⅲ | 与党候補:M. バルス (※ マクロンとバイルは不出馬) |
1:フィヨン(29%) 2:ルペン(26%) 3:バルス(21%) 4:メランション(17%) |
野党候補:F. フィヨン |
最大野党は予備選で候補がフランソワ・フィヨン氏に確定しましたが、与党(社会党)の予備選が行われるのは2017年1月のこと。ただ、誰が候補に選ばれたとしても、フィヨン氏とルペン氏の2名が決選投票に進む構図を変えることができない状況です。
無所属での大統領選立候補を表明しているエマニュエル・マクロン氏が出馬を取りやめ、マニュエル・バルス氏に一本化すれば、善戦できる見込みはあります。もし、メランション氏(左翼党)も取り下げるようなことがあれば、左派候補が決選投票に残れる可能性もあるでしょう。
しかし、左派系が候補者を一本化することは簡単なことではありません。
マクロン氏は大統領選を目論み、裏切りに近い形でオランド政権の閣僚を辞任しました。左派と右派の既存政党から票を奪う “台風の目” と一部で報道されていますが、実際には左派の票を奪うだけに留まっています。
そのような経歴を持つ人物を統一候補として与党が推薦することはないでしょう。また、閣僚を辞任してまで大統領選に野心を見せたマクロン氏が立候補を取り止める意味がないため、スキャンダルが生じないかぎり、選挙に挑むと思われます。
同様に急進左派・左翼党を率いるジャン=リュック・メランション氏も引く理由はありません。主張内容を丸飲みする政党がないなら、決選投票に進んだ政党と改めて政策協定を結び直すことが党の主張内容を実現できる可能性が高くなるからです。
決選投票ではフィヨン氏(共和党)がルペン氏(国民戦線)を振り切ることが現状では濃厚ですが、アメリカ大統領選で不利と見られていたドナルド・トランプ氏が的確な選挙戦略で逆転した現実があります。
そのため、まずは決選投票の場に残ることが必須です。1月の左派による予備選が終えた時にどういった構図に変化しているのかに注目です。現状では共倒れになる可能性が非常に高いと言えるのではないでしょうか。