カジノ法案に苦言を呈する前にパチンコ問題に取り組むべきだ

 カジノ解禁に伴う統合型リゾートの整備をめぐる法案審議に対し、公明党の井上幹事長が慎重な立場を採るコメントを記者団に述べたと朝日新聞が伝えています。

 賛否両論があるテーマですが、実質的なギャンブルであるパチンコが抱える問題に対しても同様に取り組む必要があると言えるでしょう。

 

 継続審議となっている統合型リゾート(IR)の整備を促すカジノ解禁法案について、公明党の井上義久幹事長は7日の記者会見で、「私自身は刑法(賭博罪)の例外を作ることは慎重であるべきだと思う」と述べた。

 井上氏は「社会的な要請がどの程度あり、どのくらい国民に理解されるのか」と述べ、ギャンブル依存症対策や経済的な効果についても慎重な検討が必要との考えを示した。

 

 井上幹事長が意見として述べた「必要性の部分」や「国民から一定数の支持があり、理解されること」はカジノ解禁に向けた必要条件と言えるでしょう。

 “ギャンブル依存症” が大きなマイナスとなると思われますが、これは “依存症対策” として『統一ルール』の下で対応する必要があると思われます。

 法律や公共の福祉に反しない限り、好きなことをする権利は保証されるべきです。しかし、一定の割合で1つのことに熱中しすぎるあまり、依存状態に陥り、日常生活に支障を来たす人が生じるため、依存症対策はカジノだけを問題視すれば済むという話ではありません。

 

 薬物、アルコール、パチンコなどが依存症の代表例でしょう。ただ、薬物に関しては使用や所持自体が違法であるため、薬物依存症と診断される絶対数はアルコールやパチンコと比較すると少ないと思われます。

 対処が難しいのは、一定の年齢に達すれば違法ではなくなるアルコールやパチンコといったタイプでしょう。

 アルコールを摂取することも、パチンコで遊ぶことも、大人であれば罪に問われることはないため依存症から抜け出すことが難しくなるのです。

 特に、パチンコに対する社会的な要請はどの程度あるのでしょうか。三店方式という “抜け道” を維持してまで、事実上のビャンブルであるパチンコを遊戯だと言い張って国民から理解されているでしょうか。

 カジノ解禁に慎重になるのであれば、同様の問題をすでに抱えているパチンコも議論の対象とすべきことです。

 

 カジノが抱える1番の問題がギャンブル依存症であるなら、パチンコに対しても同じように対処しなければなりません。

 「カジノ解禁で街中にギャンブル場ができること」が問題と見なすのであれば、パチンコ店も問題視しなければなりません。それを行わないことは欺瞞と言えるのではないでしょうか。