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マスコミは『国民保護ポータルサイト』にアクセスが急増していることを反省すべきだ

 武力攻撃やテロから身を守るために必要となる情報がまとめられた『国民保護ポータルサイト』へのアクセスが急増していると NHK が伝えています。

 留意事項を PDF でまとめた冊子がアップロードされたものですが、それでもアクセスが急増していることはニーズのある情報が掲載されているということでしょう。一方、情報を伝えることが本業であるマスコミにとっては悔やむべき事態が起きていると言えるはずです。

 

 内閣官房によりますと、「国民保護ポータルサイト」の閲覧件数は、1年あまり前は月10万件前後でしたが、その後は徐々に増えたあと、4月に入って急増し、23日までに570万件を超えています。

 このサイトでは、武力攻撃を知らせる特別なサイレンの音を聴くことができるほか、ミサイルが落下した際に取るべき行動について、屋内にいる場合や屋外にいる場合など3通りの対応を説明しています。

 

 アクセス数は6倍弱に急増したのであれば、世間が必要とする情報が掲載されていたということです。

 本来であれば、こうした情報発信はマスコミが最も得意とする分野でしょう。しかし、内閣官房が管理するポータルサイトのアクセスが急激に伸びたと言うこはマスコミが本来報じるべき内容を伝えきれてなかったことを意味しています。

 

 ゴシップ報道に特化しすぎたことで、本当に必要とされている情報を伝達するというメディア本来の役割を軽視し、マスコミ離れが起きているのでしょう。

画像:弾道ミサイル落下時の対応

 弾道ミサイルが落下してくる恐れがある場合の対応は上図のようにまとめられています。生存率を高めるための代表例であり、これをマスコミが日頃から報じていれば、『国民保護ポータルサイト』へのアクセス急増もなかったことでしょう。

 「北朝鮮がミサイルを発射した際に、万が一の場合に備えての対応を確認する」という名目で過去に取り上げ、紹介するチャンスは何度もあったからです。

 そのことよりも、「在日への風当たりが強くなることが懸念される」など、多くの日本国民にとって “どうでもいい情報” ばかりを取り上げるから、一次情報源にアクセスが殺到する事態が起きるのです。

 

 テレビや新聞といった既存メディアはネットにも注力していますが、ネット上では誰でも情報を発信できるということを見落としてはなりません。

 マスコミが取材を行った対象が一次情報源として、自ら情報を(ネットなどを利用して)発信することができるのです。そのため、既存メディアは一次情報をまとめた二次情報源になっているのです。

 メディアにとっては受け入れがたいことですが、これが現実なのです。マスコミが情報伝達を独占できる時代は終わりを迎えました。「独裁政権」と批判される国家の “お抱えメディア” でもない限り、古い体質のマスコミが幅を効かせることは不可能になったのです。

 

 ただ、価値のある情報を提供する志を持ち、ビジネスに取り組んでいるメディアにとっては今回のニュースは大きな意味があるでしょう。なぜなら、スマートフォンなどからのアクセスでは利便性の乏しい政府サイトでもアクセスを急増させることが可能であることが証明されたからです。

 世間で求められる良質のコンテンツが整理され、パソコンやスマホの両方から見やすい状態であれば、アクセス数を10倍近くに急増させる成功例があることが示されたのです。

 これを機に、良質な情報だけを厳選して、専門的な内容をより掘り下げて伝えるという形にシフトする既存メディアが出て来ることが期待されます。

 紙面版に掲載できないボツネタをネットに掲載するのではなく、紙面版では難しすぎる専門的で細かい内容をネット版で事細かに報じるというスタイルがあっても良いと言えるのではないでしょうか。