2018 ロシアW杯アジア最終予選、日本がプレーオフ出場権は獲得したことをマスコミは喜ぶべき

 2018年にロシアで行われるサッカーW杯アジア最終予選(3次予選)が大詰めを迎えています。

 日本が入るグループBは上位3チームが勝点差1の中にひしめく大混戦ですが、残り2試合を2連敗するという最悪のシナリオでも、W杯出場権は費える訳ではないのです。この点を踏まえ、残り2試合を戦う必要があると言えるでしょう。

 

 グループBの順位表は次のとおりです。

表1:2018 FIFA W杯アジア最終予選・グループB
  チーム名 勝点 得失
1 日本 8 5 2 1 17 +9
2 サウジアラビア 8 5 1 2 16 +7
3 オーストラリア 8 4 4 0 16 +6
4 UAE 8 3 1 4 10 -3

 日本は首位に立っていますが、『ポット2』に入っていたため、残り2節でタフな相手との対戦が残っています。

表2:残り2試合の対戦相手・グループB
  9節 10節
日本 オーストラリア
(H:埼玉)
サウジアラビア
(A:リヤド)
サウジアラビア UAE
(A:アブダビ)
日本
(H:リヤド)
オーストラリア 日本
(A:埼玉)
タイ
(H)

 厄介なのは直接対決の相手であるオーストラリアとサウジアラビアが「日本戦は引き分けでも良い」と割り切れることです。仮に引き分けても、残りの1試合で勝ち切ることで勝点4を獲得できます。つまり、サウジアラビアとオーストラリアは最終的な勝点を20にまで到達させることができるのです。

 しかし、日本は残り2試合を2引き分けで終えてしまうと、勝点は19。グループBの3位に転落し、グループAの3位とプレーオフで “絶対に敗けられない戦い” を強いられる可能性があるのです。

 

 ただ、放映権を持つテレビ朝日にとっては大きな問題とはならないでしょう。なぜなら、日本代表の公式戦が最低でも2試合は増えることを意味しているからです。

 普段は『キリンチャレンジカップ』が行われる国際Aマッチデーが生きるか死ぬかの公式戦へと変わるのです。

 “絶対に敗けられない戦い” という煽り文句を思う存分に使うことができますし、グループAでは “宿命のライバル” をマスコミが呼び続ける韓国が苦戦しており、プレーオフで対戦する可能性も出てきています。

 その上で、北中米カリブ地域の最終予選4位だった国との大陸間プレーオフへと続く訳ですから、注目度としてはオイシイ展開と言えるでしょう。

 

 ちなみに、アジア最終予選・グループAの順位は以下のとおりです。

表3:2018 FIFA W杯アジア最終予選・グループA
  チーム名 勝点 得失
1 イラン ※ 8 6 2 0 20 +8
2 韓国 8 4 1 3 13 +1
3 ウズベキスタン 8 4 0 4 12 +0
4 シリア 8 2 3 3 9 -1

 『ポット1』のイランは実力を存分に発揮し、すでにW杯出場権を確保しています。その一方で、『ポット2』の韓国は残り2試合でイラン戦(H)、ウズベキスタン戦(A)が残っています。

 出場権を獲得したイランが本気を出さない可能性もありますが、国のプライドを背負っていることを考えると韓国へのプレゼントはないと思われます。もし、ウズベキスタンが中国とのアウェイ戦で勝点3を積み重ねることに成功すれば、韓国は当初の予想以上に厳しい立場で最終節を迎えることになると言えるでしょう。

 

 大陸間プレーオフの出場権を賭けて、宿命の日韓対決が行われるというマスコミ的にオイシイ対戦となるのかに注目する必要があると言えるのではないでしょうか。