朝日新聞、年金運用を行う GPIF の累積益60兆円を隠すためにわざわざ2014年からの運用益グラフを作成する
年金積立金の運用を行う GPIF が今年 4〜6 月期の運用益として5兆円超を記録しました。
このニュースを面白く思わない朝日新聞が GPIF の運用成績を一部のみ切り取り、収益があまり出ていないような印象を抱かせる記事を掲載しています。これは明らかな “詐欺ニュース” と断言できることです。
■ 朝日新聞が報じた内容
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は4日、今年4~6月期の公的年金の積立金の運用益が5兆1153億円あったと発表した。黒字は4四半期連続。世界的な株高基調が続いたことに加え、円安で外国資産の評価額が膨らんだこともプラスになった。
今回の黒字額は、市場での運用を始めた2001年度から四半期ベースで過去6番目の規模になる。01年度からの通算成績は58兆4756億円の黒字となり、6月末時点の運用資産額は149兆1987億円で過去最高を更新した。
■ 朝日新聞が切り捨てた事実
問題となるのは朝日新聞が掲載したグラフです。
GPIF の運用が始まったのは 2001 年度からなのですが、朝日新聞のグラフは「2014年10月以降の通算損益」で描かれているのです。これは意図的であると断定できるものです。
1:GPIF に掲載されている運用実績の推移
朝日新聞がわざわざ “手を加えた” GPIF の運用実績ですが、編集されていないものは「最新の運用状況ハイライト」から確認することが可能です。
実際のグラフを確認すれば、朝日新聞が姑息な手段を使い、角度を付けた報道をしていることが鮮明となるでしょう。
- “通算損益” なのに、開始時期が任意である
- ポジティブな情報はすべて有料版に封じ込めている
朝日新聞が2014年10月を通算損益の起点とした理由は累積の損益をマイナス表記することができる唯一のタイミングだからだと推測できます。
朝日新聞に掲載されたグラフしか見ない読者に「年金が溶けて消滅する」との誤解を抱かすことができ、高齢者の年金不安を煽り、政権批判をするための布石となるからです。
2:「正確な情報は有料ページに記載されている」と責任回避の準備も万全
また、GPIF の運用が始まってからの累積損益額や運用資産額は有料ページでログインすれば確認できる形を採っています。
誤報・捏造との批判を受けた際、「正確に報じている」と主張するための予防線を張っているのでしょう。ただ、「記事の内容」と「記事で使われているグラフ」が一致しておらず、問題のあるグラフを誰でも閲覧可能な状態で公開していることは読者のミスリードを狙ったものと言えるでしょう。
朝日新聞を読んでファクトチェックをするのではなく、朝日新聞の記事やグラフに対するファクトチェックをする習慣を身につける必要があります。