サッカー日本代表:香川と本田の落選に驚きはないが、岡崎の落選は意外だ

 サッカー日本代表を率いるハリルホジッチ監督が11月に行われるブラジルとベルギーとの親善試合に向けたメンバー25選手を発表しました。

 香川、本田、岡崎の3選手が招集されなかったことがメディアで驚かれていますが、香川選手と本田選手は「いつメンバー外となるか」が焦点だっただけに大きな驚きはないと言えるでしょう。

 

表1:サッカー日本代表の招集選手(2017年11月)
メンバー入りは確実(負傷離脱の場合は除く)
GK 川島 永嗣
DF 酒井 宏樹、酒井 高徳、長友 佑都、吉田 麻也
MF 長谷部 誠、山口 蛍
FW 大迫 勇也、岡崎 慎司、原口 元気
当落線上の選手
GK 中村 航輔、西川 周作、東口 順昭
CB 植田 直通、昌子 源、槙野 智章、三浦 弦太、森重 真人
SB 内田 篤人、車屋 紳太郎
MF 井手口 陽介、遠藤 航、香川 真司、倉田 秋、小林 祐希、長澤 和輝(New)、本田 圭佑、森岡 亮太
WG 浅野 拓磨、乾 貴士、久保 裕也
CF 興梠 慎三、杉本 健勇

 

 意外だったのはイングランド・プレミアリーグでコンスタントに出場機会を得ている岡崎慎司選手がメンバー外になったことでしょう。

 個人的に岡崎選手のロシアW杯メンバー入りは確定的だと思っていただけに招集外となったことは意外でした。ただ、興梠選手と杉本選手というJリーグで実績を残しているセンターフォワードが選出されているだけに選考基準は分かりやすいと言えるでしょう。

 

1:コンディションと結果が重視された選考

 今回の選考で目立つのは浦和レッズに所属する選手が多く選出されたことでしょう。これはレッズがアジアチャンピオンズリーグで決勝に進出しており、準決勝でブラジル代表クラスを要する上海上港を下したことが評価されてのことだと考えられます。

 良いコンディションを保ち、結果を残した選手が代表チームに招集されるのは当然です。

 逆に香川選手や本田選手が落選したのはパフォーマンスが向上しなかったことが主要因でしょう。「本田選手はゴールで結果を出している」との主張もあると思いますが、本田選手に求められているのはゴールではなく献身性です。

 “水を運ぶ汗かき役の選手” が求められているのであり、“王様タイプの選手” ではないのです。ハードワークができなければ、メンバーから外れることは当然と受け止められることになると思われます。

 

2:FW はポストプレーができる CF にチャンスが与えられた

 FW 陣はレギュラー格である大迫選手は順当に選出。岡崎選手は招集を見送られることになりました。

 この選考基準は「ポストプレーができるセンターフォワードの能力をテストするため」だと言えるでしょう。大迫選手が負傷や不振で起用が難しくなった場合、同じ能力を持っている選手をテストしておく必要があります。

 CF のポストプレーが日本代表の攻撃には欠かせないオプションとなっているため、所属チームで CF を務め、Jリーグで今季20得点の興梠選手(浦和レッズ)と19得点の杉本選手(セレッソ大阪)にチャンスが与えられたのです。これを活かせるかは選手次第と言えるでしょう。

 

3:AFC チャンピオンズリーグ決勝を控える浦和レッズ勢はブラジル戦後に離脱させるべき

 今回の招集でネックになるのは AFC チャンピオンズリーグ決勝を控えている浦和レッズから5選手が招集されていることでしょう。代表戦が終わった直後に決勝のファーストレグ(アウェイ戦)が控えています。

 そのため、選手起用という点では普段の親善試合とは異なった対応が求められます。

 ブラジル代表との試合は現地11月10日(金)にフランス・リールで行われます。浦和レッズがアル・ヒラル(サウジアラビア)との対戦までには1週間がある状態ですから、レッズに所属する選手は基本的にブラジル代表戦で起用すべきと言えるでしょう。

 ブラジル戦が終わった時点で、浦和レッズに所属する選手の代表チームからの離脱を認めるべきです。ベルギー代表戦はレッズ以外の選手にチャンスを与えることが妥協案になると思われます。

 ハリルホジッチ監督がクラブチームとどのように折り合いを付け、代表チームの強化に励むのかが注目点と言えるのではないでしょうか。