菅官房長官が7月26日午後の記者会見で「SNS を積極的に活用した情報発信を行う」と発言し、メディアを牽制する

 7月26日の午後に行われた官房長官の定例記者会見で、菅官房長官が「SNS を積極的に活用して発信していく」との意向を示しています。

 マスコミに向けた記者会見では「編集」という形で、メディアによるフィルターがかかります。しかも、儲けるのための「見出しのミスリード」が常態化しているのですから、マスコミだけに情報を独占的に与える意味はありません。

 “取材対象者が自ら一次情報を世間に発表する流れ” に各省庁も乗るだけと言えるでしょう。

 

該当の質疑内容

 菅官房長官が「SNS を積極的に活用して(情報を)発信していく」との方針を認めたのは7月26日午後に行われた定例記者会見です。動画では8分8秒過ぎからの質問です。

 質問者(= ニコニコのナナオ?氏): 今後も状況に応じて経産相に限らず、 SNS を積極的に活用して発信していくという考えなのか?

 菅官房長官: そりゃ当然のことです

 質問をしたのはニコニコに所属する記者で、「韓国への輸出管理に対して世耕経産相がツイッターでメディアの報道内容を批判し、ニュースになったことへの見解」を尋ねる内容になっています。

 菅官房長官は「当然です(= SNS を使った情報発信を積極的に行う)」と回答しており、これは当然と言えるでしょう。なぜなら、マスコミによる『偏向』や『切り貼り』が深刻な状況になっているからです。

 

事実とは異なる『輸出規制』との “独自見解” で報じ、世耕経産相から「『輸出管理』という言葉を使うべき」と苦言を呈される

 例えば、NHK も『輸出規制』との表現を使い続け、世耕大臣から「経産省の措置における正確な表現である『輸出管理』という言葉を使うべき」と苦言を呈されています。

 しかし、批判を受けた後も NHK は『輸出規制』という表現を使ったニュースを報じています。

画像:輸出規制の言葉を使い続けてニュースを報じるNHK

 マスコミが『編集の自由』を理由に「正確な表現を用いた報道」をしないのであれば、マスコミに対して独占的に情報を提供する価値はありません。なぜなら、取材対象者は報道されることで損害だけを被ることになるからです。

 現代では “誰もが” 情報を発信することが可能な時代です。したがって、取材対象者自身が「一次情報の発信者」として情報を発信することに消極的になる理由は少ないのです。

 

『双方向時代』への適応に苦しむ既存マスコミ

 新聞やテレビなどの “既存マスコミ” が信用を急速に失っている理由は「環境の変化に適応できていないから」だと言えるでしょう。

 『マスコミ』と『個人』では圧倒的な巨大組織である『マスコミ』の方が優位です。ただ、『マスコミ』が相手にする『個人』は状況に応じて変更される特殊な立場にあるのです。

 例えば、事件取材で『マスコミ』と速報性を競うのは『現場にたまたま居合わせた個人』です。記者が現場に駆けつける必要のあるマスコミの分が悪いのは当然と言えるでしょう。

 また、『マスコミ』が手がける分析記事についても『該当案件の専門家(やマニア)』がネット上で的確な反論を飛ばすことが可能な状況です。

 要するに、インターネットとスマホが一般社会に広く浸透したことで、『マスコミ』は『全ネットユーザー』との報道競争を強いられることになったのです。情報伝達経路を既存マスコミが独占した時は「黙殺」が可能でしたが、現在では「批判を無視する」しか対抗策がありません。

 「批判が妥当か」は受け手側が判断するのですから、「痛いところを突かれた」との理由で沈黙を貫こうとする既存メディアの姿勢は火に油を注ぐだけとなるでしょう。

 

 政府や各省庁の大臣がツイッターやフェイスブックなどの SNS で一次情報を直接発信してくれることで受け手側が困ることはありません。自分たちの都合の良い形に編集したニュースを流すマスコミの情報による誤判断を防げるからです。

 事実を正確に伝えることよりも、角度を付けて世間を煽ることで収益の確保に走るマスコミが相次いでいるのですから、取材対象者の対応が変わるのは当然と言えるでしょう。メディアに対する風当たりは今後さらに強くなると言えるのではないでしょうか。