強風に脆弱な太陽光発電、佐賀県の貯水池に設置された太陽光パネルが風による破損事故が生じる

 佐賀新聞によりますと、台風17号が佐賀県に最接近した9月22日に農業用貯水池に設置されていた太陽光パネルが台風による強風で破損する問題が発生していたことが明らかになったとのことです。

 設置業者が撤去作業に追われるのは当然のことですが、「風に弱い」という事実を軽視した安易な設置が可能なことが根本的な原因と言えるはずです。有害物質が含まれる太陽光パネルの設置には厳しい基準が設けられるべきと言えるでしょう。

 

 22日夜に佐賀県に最接近した台風17号の影響で、佐賀県杵島郡白石町にある農業用水のため池「有明貯水池」の太陽光パネルが損壊していたことが分かった。被害は全体の3分の1程度に及び、設置業者が撤去作業に追われている。

 (中略)

 災害時は、プラスチック製の架台の上にパネルを設置していたが、強風に耐えられず、パネルが反り返ったり、風で流されたりした。台風が最接近した22日は白石町で最大瞬間風速30・3メートルが吹いていた。

 

明るさがある場所で勝手に発電する太陽光パネルは撤去が容易ではない

 佐賀新聞が報じた『有明貯水池』の様子は以下のものです。

画像:佐賀新聞が報じた被害の様子

 水面や岸辺に太陽光パネルが設置される台座ごと散乱している様子を見てとることができます。台座を撤去することは難しくないのですが、太陽光パネルが散乱していることが厄介です。

 なぜなら、太陽光パネルは光が当たると発電を始めてしまうため、日中の撤去作業で作業員に「感電のリスク」が常に存在するからです。また、水を介した漏電のリスクもあります。

 そのため、撤去作業が困難になることが想定される場所に安易に設置できる状況は規制を検討する必要があると言わざるを得ないでしょう。

 

太陽光パネルには鉛やカドミウムなどの有害物質が含まれている

 次に問題となるのは「破損した太陽光パネルの処分」です。その理由は「太陽光パネルには鉛・セレン・カドミウムなどの有害物質が含まれているから」です。

 鉛やカドミウムなどの重金属は生体濃縮が発生します。したがって、破損した太陽光パネルに利用されている重金属の水漏れを防ぐことが要求されているのです。

 しかし、水面に太陽光パネルを浮かべることを容認してしまうと、今回のような強風でパネルが破損し、鉛やカドミウムなど有害物質の流出・拡散を招く原因となってしまいます。

 これは環境破壊に直結するため、環境省が苦言を呈する必要がある部分です。目立ちたがりの小泉進次郎環境相がパフォーマンスをしたいなら、この点でやるべきと言えるでしょう。

 

小泉環境相は原発や電力会社に口出しする暇があるなら、現在進行形で環境破壊をしている再生可能エネ業界に苦言を呈するべき

 小泉環境相は「管轄外」と言いながら、原発問題などへの口出しを行っています。それなら、環境破壊が現在進行形で問題となっている再生可能エネルギー業界に対する苦言を呈するべきでしょう。

 「環境に優しいはずの再生可能エネルギーで環境破壊は問題」と総論を述べることができますし、肝心の対策については「個々の事業者が適切な措置を採るべき」と “丸投げ” が可能だからです。

 再生可能エネ業界の「不都合な真実」は複数存在します。この問題はマスコミもメスを入れる気がないのですから、「発言力を持った小泉環境相が正論を堂々と述べることができるか」は注目点と言えるでしょう。

 現実世界に発生している問題を「環境にやさしい」とのイメージで不問にする姿勢は是正する必要があると言えるのではないでしょうか。