経産省が「太陽光発電施設への安全規制強化」に重い腰を上げる 違反事業者へは「免許取り消し」を含めた措置が必要だ
NHK によりますと、経済産業省が台風などの災害で太陽光発電の施設の破損による周囲への被害を防ぐために安全規制を強化する方針になったとのことです。
現在は野放し状態であっただけに、対策が講じられたことは1歩前進したと言えるでしょう。しかし、それでも不十分です。稼働中の業者に新しい安全規制を守らせることができなければ危険な状態は続くのですから、「免許の取り消し」を含めた罰則規定の強化は必須と言えるはずです。
ことし7月から先月にかけて起きた台風や地震などでは、太陽光発電の設備にも被害が相次いだことから、設備周辺の住民の間では今後も壊れたパネルなどが自宅などに被害を及ぼすのではないかという不安が広がっています。
このため経済産業省では、太陽光発電の設備に関する安全規制を強化することなりました。
具体的には、太陽光パネルが斜面に設置された場合、土砂崩れによって下にある建物や道路に被害を及ぼすおそれがあるとして、平地に比べてより厳しい基準を適用することを検討しています。
また、太陽光発電では50キロワット未満の小規模な設備が大半を占めていることから、このクラスの設備の監視体制も強化する方針です。
「設置したら勝ち」という “歪んだ実態” を是正する必要がある
太陽光発電の問題点は「太陽光パネルの設置は業者任せになっている」ということでしょう。
『設置場所』や『設置における安全対策』はすべて業者の裁量に委ねられており、これが問題の “根っこ” となっています。なぜなら、FIT (= 全量固定買取制度)により、業者はコストを下げた分だけ儲けが大きくなります。また、「免許取り消し」などの罰則もない訳ですから、安全対策に予算を投じる必要性を感じることがないのです。
要するに、太陽光発電事業者の “モラル” に任せてしまっているのです。
その結果が「斜面への太陽光パネルの設置」や「自然環境の破壊」、「粗雑なパネル設置の基礎工事」、「安全柵の不備」などを起こしているのです。こうした問題は明らかに制度の不備が招いたことであり、是正に乗り出す必要があると言えるでしょう。
“安全対策を軽視する事業者” には業務停止命令が出されるべきだ
安全対策への必要な措置を採らずに営業を行っている事業者には最低でも “業務停止命令” に相当する処分が下されるべきでしょう。なぜなら、正直者がバカを見る結果になるからです。
ところが、太陽光発電においては「安全」の観点から語られることは稀です。
“安全性が確保されていない施設” が存在しているにも関わらず、マスコミが太陽光発電を猛プッシュする姿勢は異様と言わざるを得ません。安全基準を満たすための保守・点検作業を怠る事業者に事業継続を許可し続ける意味はないのですから、速やかに業務停止命令を出せる制度を構築する必要があるはずです。
また、太陽光パネルの廃棄問題への取り組みを始める必要がある訳ですから、課題は数多く存在しているという現状を直視する必要があると言えるでしょう。
「FIT による再生可能エネルギーの普及」は消費者の反感を招くだけ
電力の小売自由化や発送電の分離を行うのであれば、消費者が「複数の電力プランから自分が気に入ったプランを契約できる」ように制度を変更すべきです。
現状は「アンペア数」を選べるぐらいだけ、発電手法などは選べません。これは不公平だと言えるでしょう。なぜなら、割高である再生可能エネルギーによる電力も強制的に購入させられているからです。
1ヶ月の消費電力量は計測できる訳ですから、その分を火力・原子力・水力・太陽光のどれから選ぶかは消費者にある程度の決定権があっても良いはずです。
- 既存電力会社プラン(主:火力、補:原子力) ー 従来料金
- 原発応援プラン(主:原子力、補:火力) ー 従来料金より安
- 再生エネ応援プラン(主:太陽光・風力、補:水力) ー 従来料金より高
こうしたプランの中から、『再生可能エネルギーが主体となっているプラン』が多数の契約者を獲得すれば、FIT で電力消費者全員に負担を強いる必要はなくなります。しかし、それができないことが直感的に分かっているから、消費者に有無を言わさず負担させているのでしょう。
経産省は事業者を儲けさせる原因を作った側なのですから、誤った政策を速やかに是正する責務があると言えるのではないでしょうか。