オスプレイ以上に墜落のリスクの高い韓国製 T-50 を積極採用する軍隊があるとは思えない

 関賢太郎氏が『乗りものニュース』に掲載した「世界の空狙う黄金の鷲 軍用機で飛翔図る韓国航空産業 米軍・空自の導入可能性」という記事を目にしたのですが、韓国に寄り添うような論調になっていることが気になります。

 記事では以下のように性能を絶賛しているからです。

 

 韓国は日本と異なり、軍用機の市場を選択しました。すでに複数の軍用機が輸出に成功していますが、最も大きな成功を収めたといえる象徴的な存在が、KAI(韓国航空宇宙工業)製のT-50「ゴールデン・イーグル」ジェット練習機です。

 T-50のエンジンは、米・ボーイングF/A-18「ホーネット」戦闘機と同一のものを単発搭載(F/A-18は双発)し、超音速飛行も可能。限りなく戦闘機に近い性能を持つとされるほか、「世界で最も高性能な練習機」ともいわれ、その派生型である戦闘機型FA-50も開発されています。KAIは自信を持って「1000機の『ゴールデン・イーグル』を製造する」と豪語します。

 

 関氏が執筆した記事を読んだだけでは T-50 “ゴールデン・イーグル” ジェット練習機はすばらしい性能を持っている印象を受けることでしょう。

 では、昨年(2015年)12月に報じられた次の韓国語ニュースに目を通して頂きたいと思います。

 インドネシアで20日、韓国産 T-50 高性能訓練機が墜落し、搭乗していた操縦士2名が亡くなったことをインドネシア軍当局が発表しました。

 (中略)

 インドネシア空軍に引き渡された T-50 訓練機は昨年2月に戦闘機のパイロット訓練用として配備を完了していました。

 

 この T-50 は韓国国内で死亡事故を2012年(死者:1名)と2013年(死者:2名)に起こしており、2005年の配備から10年で3機が墜落し、5名が死亡しています。

 “世界で最も高性能な練習機” と豪語する割には、配備数に対する死亡事故の割合が(サヨクが批判の声を上げている)オスプレイより高い点は明らかに気になるところです。脱出装置が存在するはずの練習機で複数回の死亡事故が起きている現状は「異様」と言うべきではないでしょうか。

 仮に日韓両国間で外交上の問題がなかったとしても、高いリスクの練習機を採用する理由にはならないでしょう。なぜなら、そのリスクを負わされるのは日本でなら自衛隊であり、アメリカであればアメリカ軍だからです。

 高いリスクを抱えた兵器や装備の採用を希望する制服組はいません。むしろ、メーカー側からの営業接待を受ける立場で防衛上は何のリスクも負わない背広組が猛烈に採用をプッシュする可能性が現実には高いと思われます。

 

 粗悪品によって自衛隊員の生命が危険に晒されるようなことは、自衛隊による恩恵を受ける1人として断固反対です。