立憲民主党枝野代表、「強い軍事的拠点ほど攻撃されやすくなるから弱くすべき」と因果関係を逆にした主張を展開する

 立憲民主党の枝野代表が沖縄県宮古島で行われたタウンミーティングに参加したと沖縄タイムスが報じています。

 問題なのは「強い軍事的拠点であるほど攻撃されやすくなる」と因果関係を逆にした主張を繰り広げたことでしょう。この点を自覚できないことは野党第1党のトップとして致命的と言わざるを得ません。

 

 立憲民主党のタウンミーティングが26日、沖縄県の宮古島市内で開かれ、枝野幸男代表が市民と意見交換した。宮古島の陸上自衛隊配備についての見解を問われ、枝野代表は「安全保障上の合理性があるのか、地下水脈に影響をもたらすのかしっかり検証したい」と述べた。

 (中略)

 「強い軍事的拠点であるほど攻撃されやすくなる」と指摘。現政権の配備計画は他国が攻撃の意思を持っている場合に備える「最小限の自衛権」の範囲を超えているとの考えを示した。

 枝野代表の主張は因果関係が逆になってしまっています。重要拠点の守りを手薄にすることを主張は致命的と言えるでしょう。

 

攻撃されやすい重要拠点ほど守りを固める必要がある

 まず、軍事的拠点の存在意義は「守らなければならない重要度の高い地点や地域があるから」です。守る必要のある場所がなければ、コストを払ってまで軍事的拠点を維持する必要はありません。

 他国が初期段階で軍事的拠点を狙う理由は「軍事的拠点の機能をマヒさせれば、重要度の高い地点・地域を容易に制圧できるから」に他なりません。

 つまり、軍事的拠点は「強弱に関係なく、相手国から狙われる」という性質を持っているのです。したがって、守りを固める必要があり、防衛を手薄にするなど “愚の骨頂” と言えるでしょう。

 

銀行の防犯体制を手薄にすれば、詐欺師や強盗が対象から外してくれるのか

 軍事的拠点でイメージしにくいなら、銀行に置き換えると良いでしょう。銀行は「規模の大小に関係なく、詐欺師や強盗などに狙われる」という性質を持っています。

 「大手銀行であるほど、攻撃対象となるのです。規模が合理的であるかを考えようではありませんか」と政治家が発言すれば、世間はどう反応するでしょうか。「きちんとした防犯体制を構築・運用しろ」と苦言を呈されるはずです。

 例えば、近年ではハッキングなどサイバー犯罪が銀行などにも行われています。

 「金銭狙い」という目的がしっかりしているため、攻撃対象として “割に合わない銀行” に手を出すことは自重するでしょう。なぜなら、逮捕されるリスクが高いからです。

 逆に、セキュリティー意識が軽薄であれば、絶好の “カモ” です。立憲民主党・枝野代表が主張する「強い軍事的拠点であるほど攻撃されやすくなる」は「強固なセキュリティーであるほど、ハッカーから攻撃されやすくなる」と述べていることと同じです。

 その主張がどれだけバカげたもので、相手国を利する内容であることを理解できていないことは致命的と言わざるを得ません。

 

強固な防衛力を持つ拠点を攻撃すると、攻撃側にも損害が生じる

 枝野代表が主張する内容(=宮古島への陸自配備を削減)を中国は大歓迎するでしょう。なぜなら、中国の海洋進出に対する抑止力が弱まるからです。

  1. 中国が海洋進出を強化しようとした場合、宮古島に駐屯予定の陸自が “目の上のたんこぶ”
  2. 宮古島の陸自が持つ戦力は小さければ小さいほど中国にとっては好都合

 中国は宮古海峡(=沖縄本島と宮古島の間にある海峡)を爆撃機・戦闘機、軍艦を通過させています。有事の際は宮古海峡以西を占領する計画を立てていることでしょう。

 その際、海峡の片側に位置する軍事的拠点が強いか弱いかで「侵略側が被る損害」が大きく変わって来るからです。枝野代表の主張は中国を利するものであり、宮古島以西の住民を見殺しにする可能性のある言論だと言えるでしょう。

 沖縄以外からの遠征活動家は危険が迫りそうになると地元に逃げ帰ることでしょう。活動家に煽られたことになる代償は何で支払うことになるのかに注意を払うべきと言えるのではないでしょうか。