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在日アメリカ軍北部訓練場が年内返還へ、米軍基地が74%という表記も時代遅れに

 NHKによりますと、沖縄を訪問中の菅官房長官は在日アメリカ軍の北部訓練場の一部返還を年内に実施することを目指すと示しました。

 これにより、沖縄県にあるアメリカ軍基地の割合が減るのですから、基地負担軽減を訴えてきた “オール沖縄” は政府に感謝すべきと言えるのではないでしょうか。

 

 沖縄県を訪れている菅官房長官は、県内最大のアメリカ軍の演習場・北部訓練場を抱える国頭村と東村の村長らと会談し、訓練場の一部返還の条件となっているヘリコプター発着場の移設工事を早期に終え、年内返還の実現を目指す考えを示しました。

 (中略)

 アメリカ軍北部訓練場をめぐって、日米両政府は、平成8年、演習場内にあるヘリコプター発着場の移設工事を完了することを条件に、総面積7800ヘクタールのうち、半分を超えるおよそ4000ヘクタールを日本側に返還することで合意しています。

 

 沖縄では「全国の米軍基地の74%が沖縄に集中している」という表現が一般的に用いられています。

 しかし、この数字は沖縄にとって都合良く抜き出されたものであうことに注意が必要です。なぜなら、在日アメリカ軍基地は以下の3通りに分類ができるからです。

  1. アメリカ軍専用施設:横田飛行場など
  2. 日米共同使用施設 - a:三沢飛行場、岩国飛行場など
  3. 日米共同使用施設 - b:小松飛行場など

 共同使用施設の区分が a と b の2つ存在する理由は「共同使用が前提となっている区分a」と「アメリカ軍の一時使用が認められる自衛隊施設の区分b」があるからです。

 

 「全国の米軍基地の74%が沖縄に集中している」と主張する根拠は沖縄県が発表している平成28年(2016年)の統計資料集PDF)から確認することにしましょう。

表1:在日米軍基地の施設面積(単位:千㎡)
区分全国沖縄本土
専用施設 306,226
( 100% )
226,233
( 73.9% )
79,993
( 26.1% )
一時使用施設 718,175
( 100% )
3,688
( 0.5% )
714,487
( 99.5% )
合計 1,024,401
( 100% )
229,921
( 22.4% )
794,480
( 77.6% )

 確かにアメリカ軍の専用施設の74%(面積比)は沖縄県に存在します。注意すべき点は『一時使用施設』が別になっており、上述した『共同使用施設 - b』が別枠という扱いになっていることでしょう。

 沖縄県が『専用施設』と発表している項目は「アメリカ軍専用施設」と「日米共同使用施設 - a」の2項目が合算された数値なのです。

 つまり、「日常的に利用している施設」という意味では 74% という数字は正しいが、「使用が認められている施設」という現実性の高い条件で見ると 22.4% にまで値が下がることを意味しているのです。

 

 なお、北部訓練場の一部が返還されることによって、沖縄に存在するアメリカ軍『専用施設』の面積・割合ともに変化が生じることを見落としてはなりません。

 約4000ヘクタール(ha)が返還されるのですから、沖縄県が発表している基地データから概算すると以下のように数値が変わることを意味しています。

  • 旧)226,233 / 306,226 = 0.739 = 73.9%
  • 新)186,233 / 266,266 = 0.6994 = 69.9%

 概算の値ですが、「沖縄にある米軍専用施設は7割弱」にまで下がることになります。要するに、沖縄にあるアメリカ軍基地の割合は60%台となることが濃厚となるため、74% という言葉がデマとなる訳です。

 

 「基地負担を軽減させた」という目に見える実績を作った安倍政権を “オール沖縄” を名乗る勢力は讃えることができるでしょうか。批判ばかりでは何も生み出さないことは明白です。

 具体的な解決策を提示しなければ、支持は広がらないことを念頭に置いておく必要があると言えるでしょう。