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「巨人軍による入団契約金の巨額超過はNPBからの処分に値する」という主張が朝日新聞の “根幹” だったはずだ

 「巨人軍の新人契約金が申し合わせ(最高標準額)を大幅に超過する内容で契約を締結した」と朝日新聞が報じた件での訴訟が最高裁で確定しました。

 契約金の超過は事実認定されましたが、NPBから処分を受ける行為ではなかったため、「処分の対象となる」と論説を書いたことが名誉毀損に該当すると判断が下されることとなりました。状況としては朝日新聞社の “判定敗け” と言えるでしょう。

 

 「臭いものにふた 続く不正」と書いたのは朝日新聞の西村欣也編集委員で横浜に入団した那須野巧投手の件を例に出し、巨人の契約金問題を糾弾しました。

 那須野投手はその後、野球ファンから多くの批判を浴び、実力を発揮できず、球界を去っている。巨人の6選手との契約は同じ社会的非難を受けても仕方のないものだ。

 (中略)

 ドラフト制度を根幹から揺るがす巨人の行為はけっして許されるものではない。

 確かに『契約金』で超過していたなら、朝日新聞が主張した内容(=NPBからの処罰の対象となる)は正しいものだったでしょう。しかし、巨人軍による選手との契約内容は『契約金』と『報酬加算金』の組み合わせであり、NPBの規定に抵触するものではなかったのです。

 そのため、朝日新聞は巨人軍から名誉毀損で訴えられた裁判で敗訴が確定することとなりました。

 

 朝日新聞がこの問題で採っていたスタンスは「(NPBからの処分対象という主張も含め、)記事はすべて真実である」というものです。

 これは報道された側の選手が朝日新聞の『報道と人権委員会(PRC)』に記事を是正を求めたことに対し、上述のように返答し、当時の委員が「法廷で争われる場合よりも、もっと取材や報道の中身に切り込んでいる」と自負していたと読売新聞で取り上げられています。

 朝日新聞の『報道と人権委員会(PRC)』は第三者委員会の立場だと主張していますが、実態は朝日新聞のスタンスを追認する機関と化しており、本来の役割を果たしていないことが改めて浮き彫りになったと言えるでしょう。

 「記事はすべて真実である」と見解を表明し、「NPBへの取材もなされ、適切だった」と述べていたにもかかわらず、裁判では朝日新聞がNPB関係者への取材をしていなかったと認定されました。

 主張の根拠についての取材を怠り、間違った認識で記事を書いたことを見抜けず、擁護していたのですから『報道と人権委員会』も名誉毀損に加担した組織として処分の対象となるべきです。

 

 プロ野球の契約金問題を掘り下げるのであれば、サラリーキャップ制の導入を求め、問題の根本的な解決策を提示するべきです。

 NBAやNFLのように「チーム総年俸の下限と上限を決め、その範囲内に収まっていることを各球団に開示義務を負わせる」ことを訴え、プロ野球ファンからの支持を得る方向性が理になかっています。インセンティブの扱いについては以下のどちらかを採用すべきと言えるでしょう。

  • チーム総年俸に含める
  • 総年俸とは別枠扱いにする
    1. 今シーズンのインセンティブ総額を開示
    2. 昨シーズンのインセンティブ支払実額を開示

 「プロ野球球団がどの選手にいくら払ったか」という個別のケースを掘り下げても、あまり意味のないことです。“金満球団” と揶揄されるのはチームが裕福なことに由来するのですから、チームからの支払総額を明確な形で制限することが重要になってくるはずです。

 プロ野球の年俸は個々の球団がそれぞれの価値観に基づき、算定すれば良いことですから、総額規定が遵守されていれば外部が目くじらをたてる必要はありません。

 

 巨人軍などの金満球団と思われるチームが一人勝ちすることを抑制したいなら、サラリーキャップ制の導入を訴えることで流れを作ることはできると思われます。

 ただ、朝日新聞は自社の記事による名誉毀損という “臭いもの” には平然と蓋をする体質となっており、誤報・捏造の歴史はこれからも繰り返すことでしょう。反省すべきは無責任な記事を書いた上に開き直りを見せる朝日新聞社の体質なのではないでしょうか。