「ご飯論法など流行っていない」と批判された上西充子・法政大教授、「大人しく騙されていたらいいんだよ」と論点をはぐらかす『ご飯論法』で応戦

 「流行語」と言うより、「選考委員が流行させたい言葉」が選出される傾向が強くなった『ユーキャン新語・流行語大賞』が2018年も選出されました。

 今年の “選考委員が流行ったことにしたい言葉” は間違いなく、『ご飯論法』でしょう。「流行っていない」との批判を受けた受賞者が「知ってもらうことが重要」と論点をはぐらかしている有様だからです。

 

「知らない」、「聞いたことがない」の声が多かった『ご飯論法』

 『ご飯論法』が流行語ではないことは毎日新聞が認めるツイートをしています。

画像:毎日新聞のツイート

 世間一般に知れ渡っている『言葉』であるなら、わざわざ「おさらい」をする必要はありません。しかし、『ご飯論法』は「言葉の説明」が必要な状態なのです。

 一部の左派界隈で使われていた表現を「世間一般での流行語」として扱うには無理があると言わざるを得ないでしょう。

 

受賞者の上西充子・法政大教授は「おとなしく騙されていたらいいんだよ」と論点をはぐらかす

 「知られていない」と毎日新聞が認めざるを得なかった状況では「流行していない」との批判が起きるのは当然です。これに対し、受賞者である上西充子・法政大教授は「大人しく騙されていたらいいんだよ」と論点をはぐらかしているのです。

画像:上西充子・法政大教授のツイート

 『ご飯論法』と命名して、「安倍政権が質問をはぐらかしている」と批判しておきながら、自分たちへの批判に反論できていないのです。これほどの皮肉は珍しいと言えるでしょう。

 「『ご飯論法』が流行っていた」と主張するなら、「どこで・どのように流行っていたのか」を示せば済むことです。

 しかし、根拠を示さずに「振込詐欺と同じで、知ってもらうことが重要」と論点をずらした上で、「批判者は大人しく騙されていたらいいんだよと言っていることと同じ」と詭弁を呈しているのです。

 流行っていない言葉を「流行っている」と強弁することは安倍首相の答弁水準をも下回る愚行だと言えるでしょう。

 

『ご飯論法』は『Half-Truth (= 不誠実な真実)論法』を言い換えたもの

 この『ご飯論法』ですが、新しい概念ではありません。討論の場面で使われる『Half-Truth (= 不誠実な真実)論法』を言い換えたもので、議論での「敗け」が運命付けられている思考パターンとして知られています。

 『Half-Truth (= ハーフ・トゥルース)論法』の意味は「発言が正しいことに間違いはないが、重要な情報には意図的に触れないことで、あえて誤解を誘うこと」です。

 なぜ、一部の左派界隈でのみ『ご飯論法』が流行っていたかと言いますと、「安倍首相の答弁は不誠実だ」と主張する際に便利な比喩表現だったからです。具体例を示すことにしましょう。

  • 質問者:朝ご飯を食べましたか?
  • 答弁者:(白米は)食べていません。(パンなら食べています)
  • 質問者および支持者:パンを食べていたではないか。答弁者は不誠実だ!

 と、上記のようなやりとりを『ご飯論法』として批判できる訳です。政権批判をしたいマスコミ受けもする訳ですから、一石二鳥と言えるでしょう。しかし、この『ご飯論法』には思わぬ “落とし穴” があるのです。

 

「質問者のレベルの低さ」を『ご飯論法』というレッテル貼りで隠蔽しているだけ

 この『ご飯論法』が威力を発揮するのは、質問者が論理的で整理された質問をすることが絶対条件なのです。

  • 質問者:朝ご飯を食べましたか?
    1. 朝食を食べましたか?
    2. 朝食でご飯(= 白米)を食べましたか
  • 答弁者:(白米は)食べていません。(Bの認識で回答)
  • 質問者:私は「朝食は摂取しましたか」という意味で質問しました。朝食は食べられましたか?

 言葉には複数の意味が含まれていることが珍しくなく、質問者の意図したとおりの解釈を相手がしている保証はどこにも存在しません。それが当たり前です。

 しかし、『ご飯論法』で盛り上がる一部の左派界隈は「自分たちからの質問内容を正確に汲み取り、1度で自分たちが納得する回答や答弁をすることが当然」という価値観で政権批判を展開しているのです。

 質問内容が悪ければ、相手の回答に “重要な情報” が含まれることはありません。このことを理解せず、一方的な “言いがかり” による批判を続ける野党への支持が広まらないのは当然のことと言えるでしょう。

 「テストに出題される重点箇所」という “重要な情報” を聞き出すためには「担当教員に良い内容を質問をすること」が不可欠です。多くの人が実体験として持っていることなのですから、質問作成能力が重要であることは言うまでもないはずです。

 

 上西充子氏と共に『ご飯論法』で受賞する紙屋高雪(かみや・こうせつ)こと神谷貴行氏は日本共産党福岡市議団事務局長で、11月18日に投開票が行われた福岡市長選に共産党の推薦で出馬しています。

 どういった界隈で『ご飯論法』という言葉が流行っていたのかが如実に示されているかが示されていると言えるでしょう。少なくとも、世間一般で流行したとは言えないことが事実と言わざるを得ないのではないでしょうか。