ジャニーズ屈指の “意識の高い系” インテリ、SEALDs に賛同するってよ

 ジャニーズに所属するアイドルグループ『NEWS』の加藤シゲアキ氏が朝日ジャーナル編集長・佐藤修史氏との対談の中で、「SEALDs にすごく賛同できる」と語ったことが記事になっています。

 賛同する理由も掲載されているのですが、彼のような考えを持つ若者が世代間格差を放置する原因になっていると言えるでしょう。

 

 今から年金のことを考えろって言われても、40年後の未来なんてわからない、とにかく今を生きるしかない。若い人はそう考えていると思います。ただ、今をしっかり生きていこうとしている以上、極端な政治変革は受け入れにくい。SEALDs に賛同するのもその辺ですね。

 

 加藤シゲアキ氏は青山学院大学法学部を卒業した経歴を持っているのですが、インテリとして活動するには知識が足りないようです。

 年金は社会保障の1つですが、それが現状のままだとどうなるかは厚労省などがデータとして示しています。「社会保障を通じた世代別の受益と負担」は下図のようになっています。

画像:社会保障を通じた世代別の受益と負担

 1950年生まれは +1.0% であり、受益(=メリット)が大きいことを見て取ることができます。しかし、1987年生まれの加藤シゲアキ氏に近い年齢層は -11.0%。つまり、社会保障では損を被る世代であることが明らかなのです。

 

 社会保障制度の変更も行わず、40年後も現在と同じ水準の社会保障が維持されている見込みはありません。加藤シゲアキ氏のファンを始め、多くの若者に待ち受けているのは “絶望” だけです。

 しかし、加藤シゲアキ氏は違います。アイドルとして成功し、インテリ派としてメディアで持ち上げられている彼の収入は社会保障制度の勝ち組である高齢者世帯が受益する額を軽く超えていることでしょう。

 要するに、社会保障制度から被るマイナス面を帳消しにするだけの稼ぎがあるから、言える発言なのです。

 “若者代表” としてメディアで持ち上げられている SEALDs についても、安保法制に反対するデモ活動を積極的に行っていますが、若い世代が影響を被る「年金を始めとする社会保障問題」には全く言及していません。なぜ、若者側が不利益を被っている世代間格差の問題に取り組もうとしないのでしょうか。

 SEALDs や加藤氏の行為は世代間格差の恩恵を受けている高齢者側が望む “若者” を演じていることと同じなのです。

 

 「極端な政治変革は受け入れにくいから、SEALDs を支持する」という主張は年金問題との脈絡はありません。なぜなら、SEALDs は年金問題への姿勢を明確にしていませんし、彼らは安保反対と叫んでいるだけだからです。

 中国とは東シナ海の上空で緊張状態が高まっていますが、中国は「話し合いを持つ必要すらない」という態度を示しています。そのような相手であるにも関わらず、「話し合いで解決すべき」と日本国内に向けて訴える SEALDs の政治姿勢に賛同すると発言した理由を加藤シゲアキ氏には説明してほしいものです。

 「相手の意向をすべて汲み取れば、戦争は起きない」と考えているのでしょうか。この考えはある意味で正しいのですが、その弊害として、相手の言いなりになることを余儀なくされます。

 中国共産党の意向に沿った番組・ドラマ・映画しか放映することが許されず、自らのコミュニケーションツールも共産党本部が勝手に投稿する。

 ジャニーズ事務所の実態が中国共産党と変わらないのであれば、共産党員に該当する加藤シゲアキ氏が問題視しない姿勢を持っていることも理解できます。しかし、抑圧される側の一般人はそうは思わないでしょう。

 

 SEALDs の中心メンバーは「偏差値28」としてネット上を驚かせたキリスト教左派色が濃い高校の出身です。また、青山学院大学はキリスト教の色が強い私立大学ですから、対談記事で語られた内容とは別に支持する理由を加藤シゲアキ氏が持っていたとしても不思議ではありません。

 中・高・大と青学に通っていたのですから、キリスト教的な “正しさ” も SEALDs の活動に賛同する大きな要因になっていたと推測されても不思議ではないと言えるのではないでしょうか。