朝日新聞の二重国籍を擁護する社説に賛同すると、正直者がバカを見る

 朝日新聞が二重国籍である民進党・蓮舫代表を擁護する内容の社説を掲載しています。

 「二重国籍容認」ではなく、「蓮舫氏の二重国籍は問題ない」という点に重きを置いているため、かなり穴のある内容になっていると言えるでしょう。規則に従い、まじめに手続きを行った国民が馬鹿を見る羽目になる主張が展開されていることに驚きを隠すことはできません。

 

1:合法的な二重国籍者は何百万・何千万人いても問題ではない

 朝日新聞は社説で「二重国籍の日本人は80万人以上いるとされている」と述べ、現実を無視して過度に問題視する必要はないと主張しています。

 

 しかし、この80万人の内訳を示す必要があるでしょう。日本では22歳未満であれば、日本人であっても、二重国籍は合法です。また、国籍離脱を認めていない国との二重国籍も容認されているため、問題視されることもありません。

 蓮舫氏の件で大きな動きとなった理由は、二重国籍であることが指摘され、開き直りを見せたからです。違法性を指摘された人物が「制度が問題だ」と逆ギレし、それを擁護するメディアが現れたのですから、二重国籍者への批判の声が強まっただけにすぎないことなのです。

 

2:二重国籍の野放しは真面目な申告者が損をする

 蓮舫氏を擁護する立場の人が理解できていないことは「国籍離脱を認めない国があるのだから、どの国の国籍でも二重国籍を認めるべき」という主張が反感を招いているとのことです。

 日本国籍を選択した場合、外国籍については「離脱に努める」のが決まりだ。

 だが、罰則はなく、日本国籍を選んでも外国籍は離脱しないケースが大半だ。自分に外国籍があることに気付かない人もいる。国籍の離脱手続きが難しい国もあり、強制はできない。

 国籍を剥奪(はくだつ)されると思い込んで他方の国籍を放棄してしまい、後悔する人も少なくない。

 国籍離脱がほぼ不可能な国が存在するから、二重国籍があっても良い。国籍離脱が可能な国の国籍保有もすべて認めるべきだと主張しています。

 しかし、現実には入国審査の際に二重国籍が発覚し、日本国籍の放棄を迫られるという事例は起きています。真面目に離脱手続きを行った人に損をさせるような政策を推進することこそ、日本国に大きなマイナスを与える結果になることでしょう。

 「国籍選択は父母のどちらかを選ぶようなもの」と同情論を誘おうとしていますが、両親が離婚したケースではどちらの親を選択しなければなりません。“良いとこ取り” が認められにくく、反感を招く要因となるのは国籍だけに限ったことではないのです。

 

3:世界的に多重国籍は制限の方向に向かっている

 おそらく、日本のリベラル層はヨーロッパやアメリカでのトレンドから20年近く遅れています。

 1990年以降はEUの拡大により、多くの国で二重国籍が認められる方向へと舵を切りました。しかし、難民がヨーロッパに大量に押し寄せ、ホームグロウン・テロリストが誕生したことで、国籍による制限をかけることが一般的な流れとなりました。

 幅広い人材を呼び込めるだけではない。国籍を柔軟に認めた方が社会参加を促し、国を安定させるとの考えが基盤にある。

 社会参加と国籍に何の関係があるのでしょう。「国籍を有していなければ、人材を呼び込めない」というのであれば、それこそ幅広い人材を呼び込むことなど不可能です。

 有能な人物であれば、国籍に関係なく “ワークビザ” や “学生ビザ” を発給できるプロセスが確立されていることの方が明らかに重要です。そのような有能な人物の多くから、「帰化という選択肢だけでなく、二重国籍という選択肢も欲しい」という声が上がれば、議論を始めることでも十分に間に合うでしょう。

 朝日新聞が主張していることは明らかに順序が逆になっています。

 

4:“2人分の権利を求め、1人分未満の義務に留める” という印象を払拭する義務が二重国籍は存在する

 多重国籍者が肩身の狭い思いをする理由は「2人分の権利を行使できること」を積極的に述べる一方で、果たすべき義務が権利と比例していないからでしょう。

  • 権利:2 義務:2 ← 理想
  • 権利:2 義務:1 ← 現状
  • 権利:2 義務:0.8 ← 悪質なケース

 単一国籍者の権利と義務はどの国においても、『1:1』と割合になっています。そのため、二重国籍者の権利と義務の割合が『2:2』であれば、批判は起きないでしょう。しかし、実態は『2:1』で義務は1人分になっているのですから、批判を受ける理由になります。

 また、兵役などの責務を外国籍保有者という理由で免除が認められる実態もあり、義務の上で大きな恩恵を受けている人も存在します。こうした不公平さを是正する必要があることは言うまでもないことです。

 

 朝日新聞や蓮舫氏のような “嘘つき” が、前者はオピニオンペーパーとして、後者は野党第1党の代表として肩で風を切って生活しているのです。“多様な背景を持つ” 人物や組織が活躍できる社会は十分に構築されていると言えるでしょう。

 二重国籍問題で嘘を付いた政治家を慰安婦報道で嘘を吐き続けた新聞社が擁護することに何の違和感もありません。親近感を感じたからこそ、守らなければならないという本能が働いたものだと思われます。

 ただ、『嘘を付く人物が得をし、正直者に申告した者が損をする政策』を求める自称・オピニオンペーパーによる主張には反対意見を表明する必要があるでしょう。違法行為を野放しにすることのメリットはどこにも存在しないからです。