投手・大谷翔平と打者・大谷翔平がメジャーでどのぐらい通用するのかが楽しみだ
ポスティングシステムを利用してメジャーリーグへの移籍交渉を進めてきた大谷翔平選手の移籍先がロサンゼルス・エンゼルスに決定し、入団会見が行われたと NHK が伝えています。
移籍交渉が長期戦になるとの観測も出ていた中で、早期に決着したことは意外だったと言えるでしょう。また、エンゼルスが移籍先の本命と見られていなかったこともあり、予想外の出来事が次々に起きたという印象もあります。
とは言え、注目点は「投手・大谷翔平と打者・大谷翔平がメジャーでどのぐらい通用するのか」に移ることでしょう。
1:大谷翔平選手はメジャー志向だった
そもそも、大谷選手はメジャー志向でした。それを日本ハムがドラフトで指名し、二刀流で選手を育ててきた経緯があるのです。
阪神タイガースで活躍したマット・マートン選手は日本プロ野球のレベルを「4A」を評していました。そのため、日本のプロ野球で圧倒的・支配的な成績を残せる選手はメジャーに挑戦するだけの資格は有していると言えるでしょう。
大谷選手は投打において、球界の顔に相応する実績を残しています。これはマイナー(3A)で十分な実績を残していることとほぼ同じである訳ですから、満を持してメジャーデビューしたプロスペクト(有望選手)と同様の立場にあると言えるのです。
2:エンゼルスに決めた理由は何か?
大谷選手がロサンゼルス・エンゼルスを移籍先に決めた『本当の理由』はおそらく引退後まで語られることはないでしょう。「縁を感じた」と煙に巻く発言に留めている理由は「余計な雑音を自ら作ることを避けるため」だと考えられるからです。
エンゼルスに決めた理由は「成長する上で最も適したチーム環境が存在したから」という点に集約されていると思われます。
これは “脂が乗り切った” 年齢に達した選手が FA やポスティングでメジャーに挑戦するのではなく、“伸びシロ” が大いに存在する(と見られている)年齢で移籍するからです。大谷選手も自身が成長するために最も適したチームを選択したのではないでしょうか。
3:エンゼルスの特徴は?
大谷選手が入団したロサンゼルス・エンゼルスは2000年からマイク・ソーシア監督が率いています。スモールベースボールをするチームであり、日本の野球感に近いチームと言えるでしょう。
打線はトラウト(CF)、アップトン(LF)、プホルス(DH/1B)と右打者が軸になることが予想され、左の強打者が手薄と分析されています。そのため、打撃でも期待される大谷選手には中軸を務めるレベルにまで成長して欲しいとの期待が寄せられている状況です。
また、エンゼルスの先発投手陣も “テコ入れ” が必要な状況であり、大谷投手にチャンスが与えられることでしょう。投手・大谷翔平についての懸念点は「メジャーのボールに適応できるか」という点です。
大谷選手は WBC などメジャー公式球に近いボールを使った国際大会は欠場しており、適応度が不透明であることが懸念材料です。そのため、投手としては制球力がバロメーターになると思われます。
大谷選手の二刀流育成プランは大筋では決まっていることでしょう。具体的なプロセスが定るのは来年(2018年)のキャンプ・オープン戦での内容を踏まえて、決定していくプロセスになるはずです。
メジャーでどういったパフォーマンスをすることが楽しみな選手と言えるのではないでしょうか。