日大アメフト部の悪質タックル問題:内田正人氏からアメフト部監督と常務理事の肩書きを剥奪することが求められる

 5月6日に行われた日本大学と関西学院大学のアメリカンフットボールで試合中に、日大の選手が悪質なレイトタックルで関学の QB を負傷させるという事件が発生しました。

 日大の監督を務める内田正人氏は悪質タックルを容認するコメントを出していましたが、ネットで炎上し、マスコミも後追いをすると前言撤回。責任を選手に押し付け、自身は “雲隠れ” をするという対応を行いました。

 指導者として力量不足を示しており、また悪質プレーに注意・指導もできない人物はアメフト界から永久追放にすべき案件と言えるでしょう。

 

日大 v 関学で発生した悪質プレー

 日大の選手は関学の QB (クオーターバック)にラフプレーを複数回に渡って行っています。中でも、以下のプレーは群を抜いて悪質です。

 このプレーをニュースで目にした人も多いでしょう。ネットで炎上し、マスコミが後追いしたことで「関東学連の対応」や「日大・内田監督の見解」が変化することになりました。

 ただ、内田監督の場合は「タックル容認」から「自分は無関係」と責任転嫁を行っており、この対応は指導者として論外と言えるでしょう。

 

「(悪質タックルを)やらせている私の責任」との内田正人・日大アメフト部監督の発言

 内田正人・日大アメフト部監督の説明には複数の矛盾が存在しています。その点を指摘することにしましょう。

 まず、悪質なレイトタックルに「あれぐらいやっていかないと勝てない。やらせている私の責任」発言しているのです。監督の指示で当該選手が悪質タックルを敢行した可能性が高いと言わざるを得ません。

 なぜなら、(悪質タックルを行った)日大の選手は2017年12月に行われた『第72回甲子園ボウル』に出場。関学を相手に行われた決勝戦でスポーツマンシップに則ったプレーに終始していたからです。

 この点は関学側も認めていることです。もし、(悪質タックルを行った)日大の選手が “レイトタックル” をする癖を持っているなら、別の意味で対戦相手校にマークされていたことでしょう。

 

「選手が指示を誤解した」のであれば、なぜ注意義務を怠ったのか

 内田正人氏は「選手に “厳しさ” を求めており、選手と認識に対する乖離があった」と釈明しています。

 日大はこの主張で騒動の沈静化を図ろうとしているのでしょう。しかし、逆効果になることは目に見えています。

 アメフトで容認される “厳しさ” とは「ハードヒット」であり、相手を負傷させることではありません。「ヘルメットを悪用した頭部へのヒット」や「レイトタックル」は対象外です。

 要するに、アメフトには『絶対に超えてはならない一線』が存在しており、指導者は「スポーツマンシップを遵守させること」で選手が暴走することに歯止めをかけなければならない立場なのです。

 「ゲームの最中だけではなく、ゲームの前後についてもプレーヤーのふるまいに責任がある」と規則(PDF)に記されているのです。監督という指導者を束ねる立場にある内田氏は責務を果たしていたとは到底言えません。

 選手が悪質な反則を繰り返していたのですから、最初の反則を犯した段階で「要求する “厳しさ” の意味を誤解している」と修正を図っていなければならなかったのです。内田氏の釈明は明らかに矛盾があると言えるでしょう。

 

内田正人氏が日大・常務理事(人事担当)の職に留まり続ける限り、再発防止策は意味をなさない

 少なくとも、内田正人氏は指導者として力量不足です。「アメフトの監督として結果を残している」という意見もあるでしょうが、“守らなければならない原則” を無視している時点で論外です。

 捏造記事を執筆した記者が解雇されることと同様のことを内田氏はしていたのです。

 「クラブの監督」であれば、監督職から解任すれば済みます。ただ、内田氏は日本大学の常務理事(人事担当)であり、理事長・学長に次ぐ No.3 の権力者で、アメフト部で部長を務める加藤直人氏(副学長)よりも上の立場にあるのです。

 つまり、内田氏から「アメフト部監督」の肩書きを取り上げたところで、「常務理事」という立場からの “睨み” は健在な訳ですから、『院政』が行われることになるだけでしょう。

 現状では再発防止策を立案したところで、意味になものになってしまうことが確実なのです。

 

 日本大学から “追放やむ無し” の状況となったいる内田正人氏を「切ること」が最大・最高の危機管理でしょう。ただ、No.3 の常務理事という肩書きがあるだけに日大が自浄作用を発揮することは極めて困難であると考えられます。

 第三者委員会が設置され、そこで厳しい判断が示された上で学校側が受け入れない限り、アメフト部の未来はないものと見えておく必要があると言えるのではないでしょうか。