「韓国国内からも虚偽と認定された徴用工の写真」を使った朝鮮日報の記事を Yahoo! が転載し、デマ拡散を助長する

 朝鮮日報が「16歳で日本に徴用された父の人生」と題し、徴用工問題に対する歴史戦を仕掛ける記事を掲載しています。Yahoo! にも転載されているのですが、記事で使用されている写真が事実と異なるのですから、デマ記事と言わざるを得ないでしょう。

画像:朝鮮日報が報じた記事へのファクトチェック

 

■ 朝鮮日報の報じた記事

 朝鮮日報が報じた記事で問題となるのは「記事に使われている写真」です。

画像:朝鮮日報が報じた記事で使われた写真と説明文

 写真に付けられた説明文は「切り羽で採炭作業を行う朝鮮人」となっていますが、これが虚偽説明なのです。

 『事実と異なる写真』を利用し、「朝鮮人は過酷な労働環境に置かれていた」と印象づけるのは明らかなフェイクニュースです。しかも、該当の写真が悪用されるのは今回が初めてのことではありません。

 朝鮮日報の記事を転載したヤフー・ジャパンも責任を負わなければならない立場にあると言えるでしょう。

 

■ 事実

1:昨年夏に公開された韓国映画『軍艦島』でも使われた写真

 朝鮮日報が記事に使った写真が「デマ」と断言できる理由は昨年夏に該当の写真が使われていたからです。

画像:産経新聞が報じた写真の出典

 該当の写真は「『目で見る筑豊の100年』という書籍に掲載されている採炭作業を行う日本人労働者」であることは産経新聞が根拠とともに報じています。しかも、「明治中期」という注釈付きです。

 明治時代は1912年までの42年間。韓国併合は1910年ですし、徴用が始まったのはさらに後のことです。

 ところが、この写真が韓国で流用され、「朝鮮人労務者の過酷な労働実態」との虚偽説明がなされているのです。これはデマと言わざるを得ないことでしょう。

 

2:「まとめ行為も表現になる」ため、ヤフー・ジャパンもデマ拡散の片棒を担いだことと同じ

 Yahoo! Japan は「記事を転載しただけであり、弊社にデマ拡散の責任はない」と弁解するでしょう。しかし、この主張は説得力が失われつつあります。

 その理由の1つは “まとめサイト” である『保守速報』が名誉毀損裁判で敗れたからです。「サイトの管理人が他者の意見・見解をまとめる行為は表現に該当する」との理由で『保守速報』側が敗訴したのです。

 つまり、「朝鮮日報という他者の主張をヤフー・ジャパンは転載という形でまとめている」のですから、『保守速報』と同様の行為をしていることになります。

 『保守速報』は「他者の書き込みを使って名誉毀損を行った」と認定され、裁判で敗れました。ヤフーも「他社のデマ記事を転載した」のですから、デマ拡散の片棒を担いだと認定されれば、賠償責任が科される可能性は十分にあると言えるでしょう。

 

 転載という形であっても、自社の運営サイトに掲載する記事についてはファクト・チェックを行い、記事に問題が確認された場合は速やかに訂正を行える体制を構築しておく必要があると言えるのではないでしょうか。