物議を醸した『あいちトリエンナーレ』の企画に携わった人物が “補助金を出す側の文化庁” の事業に関わっている方が問題では?

 文化庁が「昭和天皇の写真をバーナーで燃やし、その灰を見つける映像作品」などが物議を醸した『あいちトリエンナーレ』への補助金交付を取りやめたことに対し、文化庁の事業に携わってきた専門家が委員のポストを辞任する事態が相次いでいると NHK が報じています。

 「抗議の意志を示した」と好意的に報じていますが、該当の専門家は『あいちトリエンナーレ』にキュレーターとして関わっています。したがって、「後ろめたい理由がある可能性は十分にある」と言えるでしょう。

 

 愛知県の国際芸術祭への補助金の交付を文化庁が取りやめたことに抗議し、これまで文化庁の事業に関わってきた専門家が、委員のポストを相次いで辞任する事態となっています。辞めた委員の1人は「不交付決定は納得いかず、文化庁の姿勢を問いたい」と話しています。

 (中略)

 金沢21世紀美術館の元学芸員で今回の国際芸術祭の企画に関わった、鷲田めるろさんもその1人です。

 

辞任した委員は「アートプラットフォーム事業」運営委員会

 文化庁の不交付決定に抗議をする形で辞任したのは鷲田めるろ氏です。鷲田氏が務めていたのは「アートプラットフォーム事業」運営委員会で、プラットフォームを構築するために以下の予算(PDF)が計上されています。

画像:アートプラットフォーム事業

 文化芸術・人材育成・ネットワーク構築を “税金で” 行えるのです。

 鷲田氏は「『あいちトリエンナーレ』のキュレーターに就任する」ことを理由に金沢21世紀美術館を退職しています。そのような立場にある人物が「補助金を出す側の文化庁の委員」としても活動していた訳ですから、そもそも委員になっていた方が問題と言わざるを得ないでしょう。

 なぜなら、「事業の選定がフェアに行われたか」に疑念を持たせることになるからです。

 

「作者や主催者の解釈しか許さず、閲覧制限を課す展示会」に補助金を出す正当性を説明すべきだ

 鷲田めるろ氏は「萎縮効果を生む」と批判していますが、この批判は詭弁です。なぜなら、自前で制作費や展示費を拠出すれば、自由に行うことができるからです。

 公金やスポンサーは「出資者の出す条件に従うこと」を条件に資金を投じているのです。

 事前に示されている条件を無視するなら、債務不履行を理由に返還を要求されるのは止むを得ないでしょう。『あいちトリエンナーレ』は提示方法などで “当初の申請内容” とは異なっていました。これでは補助金が不交付になるのは避けようがありません。

 『表現の不自由展』の名の下に「左翼の政治プロパガンダ展」を敢行したのです。特定の政治思想に偏った展示会に公金を投入する正当性があると考えているなら、鷲田めるろ氏が理由を説明すべきでしょう。

 しかし、それは困難を極めます。『あいちトリエンナーレ』の関係者として流れ弾に当たる可能性はありますし、批判を受ける公的な場で正当性を主張できないなら、「逃げを打つことは現実的な判断」と言えるでしょう。

 

補助金を出す側と受ける側を兼任している立場にある委員は不適切

 文化庁は補助金を出す側であり、「公平な視点で対象が選出されているか」は重要な要素と言えるでしょう。

 当然、“補助金を獲得したい側の関係者” が文化庁の委員を務めることは避けるべきことです。なぜなら、我田引水をする可能性が飛躍的に高まるからです。

 「代表チームのトップ」を「特定のクラブチームのトップ」が兼任した場合に “教え子” が贔屓される状況が批判の対象となっているため、文化庁の事業でも同じことが起きていたとしても不思議ではありません。

 したがって、補助金を出す側と受ける側を兼任することは原則不可とすべきです。もし、兼任を容認しなければ適任者を委員にできないなら、どの委員をどのような理由で選出したのかを公開しておく必要があるでしょう。

 補助金に寄生する自称・芸術家が一掃されるなら、納税者である国民にとってはプラスでしかありません。反政府活動を「アート」と強弁する芸術家集団によって世間からの風当たりが強くなることは避けるのは難しいと言えるのではないでしょうか。