『あいちトリエンナーレ』が炎上する要因となった作品群が『ひろしまトリエンナーレ』にも展示されていたことが問題視され始める

 広島県尾道市で開催中の展示会で『あいちトリエンナーレ』が “炎上” する原因の1つになった作品などが展示されていることに批判と展示中止を求める声が出ていると NHK が報じています。

 税金で運用されている行政が『ヘイトスピーチに該当する作品』の後援することが問題なのです。作者を支援する団体らが “自費で” 展示を行う分には何の問題もない訳ですから、公的イベントでの展示を認めることへの批判が出るのは当然と言えるでしょう。

 

 尾道市で開催中の芸術作品の展示会で、昭和天皇をコラージュした作品が展示されていることについて、実行委員会の事務局を担う県に対し、批判や展示の中止を求める声が寄せられていることがわかりました。

 (中略)

 県が実行委員会の事務局を担い「ひろしまトリエンナーレ」などと称して来年秋に開催を予定する国際芸術祭のプレイベントに位置づけられ、愛知県で開かれていた「あいちトリエンナーレ」に出展されていた昭和天皇をコラージュした作品などが展示されています。

 

『昭和天皇の写真を燃やして踏みつける映像作品』を展示した『ひろしまトリエンナーレ』のプレイベント

 問題視されているのは2020年の開催が予定されている『ひろしまトリエンナーレ』のプレイベントで展示されている一部の作品群です。プレイベントは10月から尾道市百島で行われており、批判が出ていたことは事実です。

 NHK は「コラージュ」とぼかしていますが、『あいちトリエンナーレ』で炎上する原因となった『昭和天皇の写真を燃やして踏みつける映像作品』が展示されていたのです。

 『ひろしまトリエンナーレ』は『あいちトリエンナーレ』と同様に県が予算を拠出するイベントです。活動家が中心メンバーにいる団体に実行委員会の決定権を丸投げをしたことが『あいちトリエンナーレ』では致命傷となりました。

 『トリエンナーレ』の本番が行われる前に問題が発覚し、(主催者である)県の立場が問われ始めたことは被害を最小限に留められる可能性があると言えるでしょう。

 

「『他者の尊厳を毀損する作品』を地方自治体が主催するイベントで展示する意味」が問われている

 『トリエンナーレ』と名が付く芸術展が炎上する理由は「行政が資金を投じるイベントに『他者の尊厳を毀損する作品』が展示されているから」でしょう。

 芸術作品が展示会場に人を呼び寄せる集客能力を持っていることは事実です。その力に期待して「芸術分野に補助金を投入する」という決定をする自治体の判断は肯定されるべきです。

 しかし、芸術の分野は多岐にわたるため、制限を設けることが必要不可欠です。なぜなら、無制限だと『表現の自由』を理由に『他者の尊厳を毀損する作品』を(自治体が主催するイベントなどで)展示される事態を引き起こしてしまう恐れがあるからです。

 出展作品に無頓着だった愛知県は「『他者の尊厳を毀損する作品』の展示に税金を投じるのか」と支出の是非を問われる形となりました。作品の展示場所が「行政が関わる展示会」だけではないのは自明です。

 『昭和天皇の写真を燃やして踏みつける映像作品』のような『他者の尊厳を毀損する芸術作品』を税金を投じてまで展示する責務は行政にはありません。また、「展示の正当性」を税金を使って啓蒙する義務もない訳ですから、作家の要望に配慮する意味はないことを認識しておく必要があると言えるでしょう。

 

『他者の尊厳を毀損する作品』との批判を受ける作品を展示したいなら、自腹で展示会やイベントを開くべき

 日本には『表現の自由』があるため、自分たちで展示会やイベントを主催していれば、どのような作品でも展示することは可能です。これは『他者の尊厳を毀損する作品』であっても、対象になっていなければなりません。

 ところが、問題視された作品の作家や支持者は「行政が(制作活動や展示を)支援しろ」と要求しているのです。

 この主張は『表現の自由』を履き違えた内容となっています。『表現の自由』は「作家がどのような分野の作品を作っても良い」というものであり、「行政がどのような分野の作品に補助金を投じても良いという根拠ではない」のです。

 国からの補助金や後援がないと『政府を批判する作品』が作れない芸術家は「二流」です。反日作品を作るだけの二流作家を日本が税金で支援することは馬鹿げていますし、その意義や必要性を日本の地方自治体が説明すること自体が論外と言わざるを得ないでしょう。

 『あいちトリエンナーレ』の騒動で芸術利権の一角にメスが入ったのです。他の地方自治体でも同じ “病状” が進行している可能性は大いにありますし、広島県が適切な対応に乗り出したことは評価されるべき点だと言えるのではないでしょうか。