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民間人が国家政策に介入するような国と “機密情報共有協定” を急いで結ぶ意味はあるのか

 稲田防衛大臣が韓国国防省との “機密情報共有協定” の早期締結を目指す考えを持っていることを記者会見で述べたとNHKが伝えています。

 北朝鮮情勢についての機密情報を共有することが主目的であると考えられているのですが、相手国は民間人であるチェ・スンシル氏がパク・クネ政権の政策決定に深く関与していたとのスキャンダルで大揺れ状態です。

 そのような国家と大急ぎで “機密情報共有協定” を締結する必要性はあるのでしょうか。

 

 稲田防衛大臣は、閣議のあとの記者会見で、韓国国防省が日本と安全保障上の機密情報を共有するための協定の交渉再開を決めたことについて、北朝鮮による弾道ミサイル発射などに対応するためにも極めて重要だとして、早期の締結を目指す考えを示しました。

 (中略)

 そのうえで稲田大臣は、4年前に日韓両政府の間で締結が決まっていたものの、韓国側が一方的に延期を申し入れた経緯に関連して、「当時に比べても北朝鮮をめぐる情勢は大変、厳しくなっている。韓国国内の状況について答える立場にはないが、早期の締結を目指して、早期に交渉を開始したい」と述べました。

 

 日本側が協定締結に前向きな姿勢を打ち出したところで意味を持たないことでしょう。なぜなら、韓国側は日本が求めている情報を出すつもりはないと宣言しているからです。

 

 日韓の防衛情報を共有する基礎となる「軍事情報包括保護協定(GSOMIA)」を巡る問題で、韓国の韓民求(ハンミング)国防相は28日、韓国在留邦人の救出に必要な空港や道路の状況、韓国軍の展開などの情報について「それは(日本側に)渡さない」と語った。

 朝鮮半島有事で日本が最優先に行うことは在留邦人の救出です。アメリカも、同じプライオリティー(=在留アメリカ人の救出)を定義していることでしょう。

 そのために必要となるのは『輸送経路の確保に関する情報』なのですが、韓国側は「その情報を渡すつもりはない」と宣言しているのです。その一方で、「北朝鮮の核・ミサイルや潜水艦に関する情報が欲しい」と期待している有様です。

 “韓国らしさ” が前面に現れた要求と言えるでしょう。韓国の要求を受け入れるだけの具体的なメリットがなければ、“機密情報共有協定” の早期締結に熱心になる必要性は存在しません。

 

 また、パク・クネ大統領の政策決定に対し、民間人であるチェ・スンシル氏が介入した疑いが浮上し、一大スキャンダルとなっています。

 チェ・スンシル氏は2014年までチョン・ユンフェ氏と夫婦関係にあり、チョン・ユンフェ氏はセウォル号事故の対応時に生じた “空白の7時間” にパク大統領と会っていた人物として産経新聞の加藤ソウル支局長(当時)に引用する形で書かれていた人物です。

 絶大な権限を持つ大統領に対し、民間人が堂々と政策を口出ししていた証拠が出ている訳ですから、機密保持という考えが存在するのかが怪しいところです。

 日本では特定機密保護法が存在するため、政治家が “機密情報” を流出させれば、法によって罰せられます。しかし、そのような概念が無視されるような国に日本の機密情報を与えることはリスクが高すぎると言えるでしょう。

 

 北朝鮮に関する機密情報は日本から求め、有事の際に韓国在留邦人救出に必要となる情報の提供は拒む。そのような国と “機密情報共有協定” の締結を急ぐ意味はないはずです。

 韓国は北朝鮮と休戦中であり、戦争が再開するリスクのある国であることを忘れてはなりません。そのことを踏まえて、外務省は渡航に対する注意喚起情報を提示する必要があるでしょう。

 また、自衛隊による救援も韓国による反発で現実的ではないことを理解した上で韓国旅行・滞在を楽しむ必要があるのではないでしょうか。