朝日新聞、「HPVワクチンによる薬害を示した論文が撤回」を「HPVワクチンの論文撤回」と報じる

 朝日新聞が『HPVワクチンの論文撤回』とのタイトルの記事を5月13日付で報じています。

 この見出しでは「HPV ワクチン(の有効性を示した)論文が撤回された」との誤解を与えるものであり、実際の研究内容とは真逆ですのでフェイクニュースと言えるでしょう。

画像:朝日新聞が報じた記事へのファクトチェック

 

■ 朝日新聞が報じた記事

 朝日新聞は5月13日付で以下の記事を報じました。

画像:朝日新聞が報じた記事

 英科学誌サイエンティフィック・リポーツは11日、子宮頸(けい)がんの原因ウイルスの感染を防ぐ「ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン」に関する、東京医科大などのチームの論文を撤回した。

 (中略)

 HPVワクチン接種後に脳や神経に異常が起きるかを解明するため、ワクチンと百日ぜき毒素を注射したマウスと対照群を比較する試験を実施。脳の異常などを確認したとする結果をまとめた。

 『タイトル』と『記事の内容』に大きな乖離があるのです。「HPV ワクチンの効果を示した論文」が撤回されたような『タイトル』を付けることは極めて深刻な問題と言えるでしょう。

 

■ 朝日新聞が報じた記事に含まれている問題点

 撤回された論文とその理由は以下のものです。

  • 論文の内容:
    • 東京医科大・中島利博教授が責任著者
    • HPV ワクチン接種後に脳や神経に異常が起きるかを解明する目的
    • HPV ワクチンと百日ぜき毒素を注射したマウスで試験を実施
  • 撤回の理由:
    • 「HPV ワクチンだけで起きる神経系の損傷を明らかにする」という目的において、多量の HPV ワクチンと百日ぜき毒素を使用することは不適切

 要するに、東京医科大・中島利博教授が『HPV ワクチンによる薬害論文』を発表していたが、「実証方法が不適切」との理由で撤回されたのです。

 つまり、撤回されたのは『HPV ワクチンによる薬害があるとする論文』であり、『HPV ワクチンの効果を示した論文』ではないのです。

 

 ところが、朝日新聞は「HPV ワクチンの効果を示した論文が撤回された」と誤解を招くタイトルを付けています。これはフェイクニュースとして批判されるべきものでしょう。

 もし、記事の要約に当たるタイトルを正確に付けることができないのであれば、その人物はメディア従事者として能力不足と言わざるを得ません。

 朝日新聞は「HPV ワクチンに対する “ありもしない薬害” を煽ってきたメディア」の1つです。自らの過ちを認めることができないから、タイトルで読者に誤認させ、醜悪な態度を採っていると言えるのではないでしょうか。