「HPV (子宮頸がん)ワクチンの安全性」を検証してきた村中璃子氏がネイチャー等が主宰する『ジョン・マドックス賞』に輝く

 科学誌『ネイチャー(Nature)』等が主宰し、公益に資する科学的理解を深めた個人を表彰する『ジョン・マドックス賞』に村中璃子氏が選出されたとイギリス・ガーディアン紙が報じています。

 「HPV ワクチンへの恐怖を煽るキャンペーンで予防接種率が 70% から 1% に落ちる中、接種の安全性を説明したこと」が受賞の理由と見出しで紹介されています。

 

1:ガーディアン紙の記事

 記事を書いたのはガーディアン紙のサイエンス・エディターであるイアン・サンプル(Ian Sample)氏です。東京発の “ゴシップ記事” とは意味合いが異なるという認識が必要だと言えるでしょう。

  • 村中璃子氏の表彰理由は反ワクチン活動家や一部の医師らの強い反発の中、ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの安全性を説明したこと
  • ワクチン接種を受けたことが原因と親が主張し、2013年に日本政府は根拠なく予防接種を中止
  • 予防接種率は 70% から 1% にまで下落
  • WHO は「因果関係はない」と公表
  • 村中氏は池田教授(信州大)から訴訟を起こされている
  • 池田教授は「ワクチンと脳の損傷」の関連を明らかにするレポートを書いたが、それは大学の調査で1匹のマウスによる予備的データで示されたものだった
  • 村中氏は指摘後、脅迫や “WHO のスパイ” など誹謗を受けている

 ガーディアン紙が報じた記事の概要は上記のとおりです。科学的な根拠を積み重ねると、反ワクチン派の主張は間違いであったと結論づけることができるはずです。

 

2:マスコミが「被害者の主張」を垂れ流したままにしていることが元凶

 村中璃子氏が『ジョン・マドックス賞』を受賞した最大の理由は「マスコミが “被害者の主張” を報じたままにしていること」と言えるでしょう。

 『子宮頸がん(HPV)ワクチン』に疑いの目が向いたのは「思春期の子供に異常行動が見られたこと」が理由なのですが、これはワクチン接種に関係なく起きていることなのです。

表1:健康被害を訴えた子供(12〜18歳)の数
性別 接種歴 申告者数(10万人あたり)
男子 対象外 20.2 (= 0.0202%)
女子 27.8 (= 0.0278%)
20.4 (= 0.0204%)

 2016年12月の時点で「接種は無関係」であることが判明しています。朝日新聞も報じているのですから、「被害者の主張」を垂れ流すだけの報道は止めなければなりません。

 

3:不安に寄り添えば良いという報道姿勢は間違い

 ほとんどのマスコミは『薬害』と煽れるだけ煽り、後は野となれ山となれというスタンスで逃げている状況です。この責任は極めて重いと言えるでしょう。

  1. 思春期の子供にけいれんや痛みが現れる
    → 親は原因を探ろうとする
  2. 「子宮頸がんワクチンが原因」と主張する親をマスコミが報道
  3. “被害に遭ったと主張する親” に寄り添う医師や活動家が登場
  4. 国や製薬会社に『薬害訴訟』を起こす動きが出る
  5. 科学的根拠がないため、原告敗訴となる

 子宮頸がんワクチン(HPV ワクチン)の接種に反対する運動は上記の結末になることが予想されます。

 子供が身体の不調を訴えれば、その原因を探ろうとする親の姿勢は自然なことです。また、親がその原因を特定できなくても、責められることはありません。なぜなら、知らないことの方が多いからです。

 しかし、マスコミは違います。「子宮頸がんワクチンによって子供の身体に問題症状が現れた」と報じたなら、最後まで責任を持って報じなければなりません。今回の場合は科学的根拠によって完全に否定されたのです。そのことを報じるまでが感情的に問題を煽ったマスコミに対する最低限の責務なのです。

 

 子宮頸がんは年間3000人が亡くなる病なのです。ワクチンで3000人の命が救えるのですが、その可能性を費やした訳ですから『誤ったメディア報道による逆・薬害』として取り扱わなければならない問題と言えるでしょう。

 それとも、膨張する医療費を抑制するためにガンで亡くなる人を1人でも多く増やすことで財政再建に寄与するというマスコミの意思表示なのでしょうか。無責任なマスコミ報道に対する罰則を本格的に検討する必要があると言えるのではないでしょうか。