沖縄・翁長知事の工事妨害を支持する声をメディアが出し続ける限り、沖縄が企業にとって魅力的な投資先にはなり得ない

 名護市・辺野古沖に在日米軍基地が移設するため移設工事に対し、沖縄県の翁長知事が「埋め立て承認の撤回」に向けた手続きを始めると表明したと NHK が伝えています。

 『反基地運動』を公約に掲げた翁長知事らしい動きと言えるでしょう。しかし、最高裁で沖縄県側の主張は認められなかったにもかかわらず、ゴネ続けている姿勢を世間に知れ渡ることによるマイナス面を自覚できていないことは大きな問題と言わざるを得ません。

 

 翁長知事は27日、沖縄県庁で記者会見し、アメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設工事について、沖縄防衛局は環境保全対策などを県に示さずに工事を実施していて、事業者の義務に違反していると批判しました。

 そのうえで、護岸が設置される場所の地盤が軟弱であることなど、埋め立ての承認後に新たな事実が判明したとして、工事について「公益に適合しえないものだ」と指摘し、前の知事が行った埋め立て承認の撤回に向け、国から反論を聴く「聴聞」の手続きを始めることを表明しました。

 (中略)

 菅官房長官は、沖縄県側がおととしの最高裁判所の判決は、移設工事をめぐる沖縄県知事のすべての権限を縛るものではないなどと主張していることをめぐり「それは沖縄県の言い分であり、最高裁の判断に従って進めるのが国の判断だ」と述べました。

 

基地反対派のために “最後のご奉公” に出た翁長知事

 沖縄の翁長知事が「承認撤回」に踏み切った理由は基地反対派に “最後のご奉公” をするためでしょう。なぜなら、11月に行われる予定の沖縄県知事選やその後に利用できるからです。

 翁長氏が知事選で勝利すれば、「沖縄の民意を尊重しろ」と主張することが可能になります。そのため、「承認撤回」に正当性があるような誤解を招く記事をメディアが書き、翁長氏の姿勢を支持することになるでしょう。

 知事選で敗けた場合は「平和を追求した翁長・前知事の思いを軽視するな」と開き直りの論調を展開するはずです。

 もし、翁長氏が体調面を理由に不出馬を選択した場合は反対派が翁長氏を『運動のシンボル』として崇めたて、“活動のカルト化” が進行することが予想されます。翁長知事が “何らかの動き” を起こすことで、反対派は活動のネタを手にするのです。その点を認識しておく必要があると言えるでしょう。

 

最高裁で「移転に向け協力する」という和解条項を無視した行為

 法治国家である日本で裁判を起こし、沖縄県側は敗訴しました。そのため、移設に向けた動きに協力する責務が沖縄県知事にある訳ですが、翁長知事は無視しているのです。

 この事実を棚に上げ、ゴネている姿勢は批判しなければなりません。

 『沖縄県』と『国』の主張が異なり、妥協点を見出せなかったから裁判になったのです。「判決が受け入れられないものだった」との理由でゴネる相手に配慮するようでは裁判をする意味はありません。

 また、ゴネ得が容認されるのであれば、法令に従う正直者がバカを見ることになります。2次的・3次的な問題を誘発させないためにも、判決を遵守する気のない沖縄県に対するお灸をすえなければならないのです。

 

活動家によって、法の運用体系が歪められる地域は投資先として魅力的ではない

 翁長知事のやっている行為は「沖縄県の意に沿わないなら、行政ぐるみで嫌がらせをする」というメッセージを送っていることと同じです。

 コンプライアンスを遵守する企業であっても、行政が法を無視して嫌がらせをして来るのです。そのような地域が企業にとって魅力的な投資先に映るでしょうか。

 「経営上のリスクが高すぎる」と判断するでしょう。多額の投資が必要となる工場など大規模雇用を生み出す施設は設置されず、B to C の商品を消費するだけの市場と位置づけられてしまうのです。その結果、観光業以外は根付きにくい地域となるでしょう。

 現状は反基地運動に “オールイン” をした挙句、法治国家のルールを無視している状況です。にもかかわらず、沖縄振興のために年間3000億円もの巨額予算が費やされている現状は明らかにおかしいと言わざるを得ないのではないでしょうか。