日本の人口ピラミッドと比較した新型コロナウイルスの患者および死者数(2020年3月17日時点)
厚生労働省が新型コロナウイルスの国内発生動向で年齢別の患者数などを掲載していましたので、日本の人口ピラミッドと比較したものが以下になります。
傾向が読み取れるため、今後の方針を決める上で役立つことでしょう。
高齢者ほど重症化・死亡のリスクは高い
グラフの作成に用いたデータは厚労省が発表した3月17日18時時点での患者および死者数(PDF)です。
28名の方が亡くなっているのですが、70代が7名、80代以上が21名となっています。また、年齢層が高くなるほど『重症者+死者数』の数値が高くなっており、“クラスター” を避けなければならないのは高齢者と言えるでしょう。
もちろん、新型コロナウイルスに感染・発症すると(元気な)若い世代であっても重症化する可能性はあります。したがって、年代に関係なく注意を続ける必要があるはずです。
安倍首相の「休校要請」は効果が出ている
次に安倍首相が行った『休校要請』ですが、「効果は出ている」と言えるでしょう。なぜなら、10代の陽性反応者が “異様なほどに” 少ないからです。
若者世代が占める割合は日本も韓国も同じです。(どちらの国も少子化が進行しているため)
しかし、日本は「『9歳以下の感染者』>『10代の感染者』」ですが、韓国は人口比と同じ「『9歳以下の感染者』<『10代の感染者』」なのです。
この要因は休校要請によって感染者との触れ合う機会が減少したことが大きいと考えられます。
東京都や大阪府以外の自治体も退院者の年齢を公表して欲しい
日本国内で新型コロナウイルスに罹患するも、回復・退院した人は3月17日の時点で150名超となっています。しかし、厚労省が発表しているのは総数で、どの年齢層かは不明です。
東京都と大阪府は公表をしていますし、新学期が始まるまでに「若者が過度に恐れる必要はない」との “安心感” を与える意味でも週1回のペースで発表を検討する価値はあるでしょう。
3月17日の時点で東京都と大阪府が発表した退院者は53名で、退院者全体の3割強です。
スポットが当たりがちな「累計の陽性反応者数」から「現在の患者数」に重きを置いた報道にシフトさせるためにも『退院者の年齢』を公開する意味が大きいと思われます。
病院内での二次感染を防ぐために医療関係者に現在でも非常に大きな負担をかけている状況ですから、風邪など “怪しい兆候” が出ている中で自分勝手に出歩く高齢者に対して「自宅待機」を繰り返し呼びかける必要性が今後は大きくなるのではないでしょうか。