「神戸は大阪の植民地?」と民進党・枝野幹事長が挑発

 神戸・三宮で行われた街頭演説で民進党の枝野幹事長が「神戸は大阪の植民地じゃないですよね」と発言したことを産経新聞が伝えています。

 おおさか維新の会を口撃したい気持ちがあったから出た発言なのでしょうが、うまいやり方とは言えません。

 

 民進党の枝野幸男幹事長は10日、神戸・三宮で街頭演説し、政権寄りの主張を繰り返しているとして、おおさか維新を“与党”と位置づけたうえで、「与党のくせに野党のふりをしている大阪の変な政党」と強調。「政治の世界では、大阪の風に惑わされている神戸の人が多いそうだという変な声が聞こえてくる。神戸はまさか大阪の植民地じゃないですよね」と述べた。

 

 なぜ、民進党がおおさか維新の会を敵視しているのか。それは2015年4月に行われた第18回統一地方選挙の結果を見れば、一目瞭然です。確定した大阪府議会の会派別議員数は次のようになりました。

  • 大阪維新の会:43名
  • 自民党・無所属:25名
  • 公明党:15名
  • 日本共産党:3名
  • 民進党:1名
  • 欠員:1名

 枝野幹事長が主張したい “大阪の風” が何に該当するのかが明らかでしょう。定数88名の大阪府議会に送り込めた民進党の議員はわずか1名

 しかも、当選した議員はパナソニックの城下町である枚方市(4枠)での当選。民主党・民進党アレルギーがどれほど凄まじいものかは明らかです。

 

 したがって、大阪府と隣接する兵庫県にその波が押し寄せることを止めることは必然的に最優先課題となります。そのため、「神戸は大阪の植民地でないなら、大阪とは異なる選挙結果という民意を示せ」という気持ちが先走る形での演説となったのでしょう。

 ただ、神戸の人は大阪と比較されること自体を嫌います。

 「あんなガラの悪いヤカラと一緒にするな」という意識が(神戸人の)根底にあるからなのですが、埼玉・東京を中心に活動する枝野幹事長には気づかなかったのでしょう。この “センスのなさ” が民主党政権を終わらせ、民進党というハリボテ政党を誕生させたのです。

 

 難癖を付けて国会での審議を拒否する政党が「自分たちは対案を出している、審議を拒否したのは与党だ」と主張したところで開き直っているだけと見られてしまうのです。

 口先だけのキレイゴトで解決できない問題に対して具体的な解決策を提示していないのですから当然です。日本固有の領土である尖閣諸島の接続水域内に中国船が侵入したことに「他国がどやかく言う権利はない」と主張する国とどうやって “対話のテーブル” とやらを用意するのでしょうか。

 実行可能な具体的な提案がされない限り、「無責任な政党」という印象は有権者から消え去ることはないでしょう。テレビや新聞が応援してくれれば、マズい情報を隠し通せる時代は終わったということを自覚しなければ、自民党から政権を奪うことは不可能だと思われます。