“護憲派” を名乗る政党やメディアは尖閣諸島に押し寄せた大量の中国漁船および公船への具体的対応策を提示せよ

 日本の領土である尖閣諸島周辺の領海間際に中国公船と漁船が航行していることが確認され、外務省が強く抗議したとNHKが報じています。

 6日午前に起きたことであり、メディアや政党は公式見解を7日の時点で発表していませんが、国防という観点から無視することはできません。特に、護憲派を名乗る勢力はこの脅威にどう対処するかを具体的に示す必要があると言えるでしょう。

 

 6日午前、中国海警局の船6隻が沖縄県の尖閣諸島周辺の日本の領海のすぐ外側にある接続水域に入り、中国の漁船およそ230隻がその周辺を航行しているのが確認されました。外務省は、中国大使館に対し、緊張を高める一方的な行為で、決して受け入れられないと抗議しました。

 

 中国側の行為は前例のないものですが、「前例がなかったから対処できない」という論理は通用しないことは明らかです。また、その主張が免罪符になることもありません。

 つまり、「憲法9条を守れ」という “護憲派” の主張を展開するのであれば、その主張を保持し、どのように日本国の国民や領土を守るのかを明らかにする責務があるのです。

 武装勢力に対する戦力を持たず、交戦権も認めないのであれば、国土を失い続ける他に選択肢はありません。『専守防衛』を貫くのであれば、軍事衝突をするなら日本国内を戦場にすべきとでも考えているのでしょうか。

 

 確かに、日本を攻撃を仕掛ける国は絶対に存在しないと信じれば、軍事力は不要です。この考えはカルトと同じであり、現に中国は海洋進出を狙う動きを見せています。

 「軍事衝突が起きる可能性がある」と考えることができる兆候が見え隠れしている実態を懸念する声に対し、「戦争が起きることはない」と反論するのは希望的観測を述べているに過ぎないのです。

 また、護憲派は「戦争=終戦=焼け野原」を前提に議論を進めている傾向があります。戦争に敗けることを前提としていますが、勝った場合は(敗けた場合とは)別の状況で終戦を迎えることになるのです。

 一部では「終戦で焼け野原となるより、戦わずに降伏し、自決権を得る方が良い」と主張する人たちもいます。これは中国やソ連に占領された方が幸福を得られると主張していることと同義です。

 戦争するぐらいなら、香港のようになった方が良いと思っているのでしょう。しかし、中国に自決権を握られているチベットのようになる可能性が高いことを完全に見落としていることがご都合主義と言われる理由なのです。

 

 国民の生命を守れない憲法解釈論議などはそれほど重要ではありません。むしろ、国民の生命をどのように守るか、そのために必要となる法的根拠は憲法・法律でどう体現するかが重要であり、優先事項なのです。

 以下の4項目については、護憲派を掲げる政党・メディアであっても、具体的な対応策を提示する責任があるです。

  1. 湾岸戦争のように近隣国が攻め込んできた場合
  2. シリア情勢のように国内の反政府組織に(諸外国から)武力・資金援助が行われた場合
  3. クリミア半島のように占拠された場合
  4. 南シナ海のように漁船/公船で海域を奪われた場合

 四方を海に囲まれた日本がクウェートのように戦車部隊で攻め込まれるというケースは皆無に近いでしょう。ただし、空中衝突・海上衝突が起きる可能性はあるため、対処策を講じていなかったという言い訳は通用しないのです。

 実際に起きる可能性が高いのは残りの3項目と言えるでしょう。それぞれが単発で起きるのではなく、複数が同時に起きることが想定されます。それだけに、個別の事象ごとに明確な対応方針を打ち出しておくことが不可欠であるはずです。

 

 南シナ海の領土問題で中国は国際条約などの枠組みを守る気がないことを示しています。また、「国際社会が連携して中国に圧力をかける」とメディアが宣伝したところで、抑止力の効果になっていないことは明らかです。

 このような現状を踏まえた現実的で具体的な対応策を提示できなければ、『左翼=お花畑』の図式が覆されることなく、支持が集まることはないでしょう。日本を危機に陥れるのはキレイゴトばかりを述べている界隈であることを覚えておく必要がありそうです。