スポーツ視聴の形態はスマホに移行するのか?
イギリスのパフォームグループがJリーグの放映権を高額な契約金で獲得したことが発表され、配信サービスも正式に開始されたとNHKが報じています。
視聴形態がスマートフォンがメインになると予測を立てているようですが、スマホで見る文化が根付くかは不透明です。
日本ではパフォームグループが提供する『DAZN』とソフトバンクグループが提供する『Sponavi Live』の2つがスマホ向けネット配信サービスの軸となるでしょう。
どちらも「定額見放題」のサービスなのですが、配信するコンテンツと料金に違いがあります。
- DAZN(月額:1750円)
- Jリーグ、ブンデスリーガ、セリエAなど(サッカー)
- DeNA戦、MLB(野球)
- UFC(総合格闘技)
- NBA(バスケットボール)
- ATPワールドツアー(テニス)
- Sportsnavi Live(月額:3000円)
- プレミアリーグ、リーガ・エスパニョーラ(サッカー)
- 巨人・広島・中日の主催試合を除くプロ野球、MLB
- 大相撲
- B.LEAGUE(バスケットボール)
- ATP250(テニス)
Sportsnavi Live(スポナビライブ)はソフトバンクユーザーであれば、月額500円で視聴が可能となります。そのため、金額的に魅力を感じる人もいるでしょう。
ただ、どちらのサービスもネット配信ですので、人気コンテンツが配信された際にサーバーが混雑すれば視聴に影響を及ぼすリスクもあります。
スポーツ中継はテレビの地上波からは撤退が相次ぎ、ほとんどが有料放送のCSなどに移行しました。おそらく、有料契約を結んでいる視聴者をどれだけ奪うことができるかがスマホ向け配信ビジネスの成否を握っていると言えるでしょう。
ユーザー側の都合に合わせて視聴ができるという柔軟性はネット配信の大きな強みです。しかし、スマホという小さな画面サイズは “ワンセグ” を彷彿させ、スマホ視聴が広まるというイメージを持ちにくいことも事実です。
世界的にはライブストリーミング中継が伸びている傾向がありますが、これはオンラインベッティングとの関係性が強いためです。スポーツの試合展開によって賭けの内容が変わるのですから、親和性が高くオンラインカジノサイトでスポーツ中継が視聴できるケースも存在します。
しかし、日本では上述のようなビジネスモデルは違法です。可能性があるのは公営競技ぐらいでしょう。それでも、「射幸性を助長するようなビジネスはいかがなものか」と懸念が示されるリスクがあります。
スポーツの視聴形態に対する好みは人それぞれですから、どういった視聴形態が多いのかによってビジネス的に収益を得ることができるのかが明らかになるでしょう。
現地観戦が魅力的であれば、中継コンテンツもそれに比例して魅力的に映ると思われます。コンテンツの鍵は値段ではなく、スポーツそのものなのだと言えるのではないでしょうか。